調査

前月比2.4ポイント改善:5月末の中小企業景況

2023年 6月 30日

中小企業団体中央会がまとめた5月末現在の「中小企業景況調査」によると、景況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値) は、マイナス14.7で前月比2.4ポイント改善した。新型コロナウイルスの5類移行やインバウンドの増加による人流の回復を背景に景況感が改善した。

業種別にみると、製造業がマイナス23.9と3.9ポイント改善した。「紙・紙加工品」が需要増加と値上げによる価格転嫁が進み39.7ポイントの大幅改善となった。また、「輸送機器」は半導体不足が緩和され、生産体制が回復したことから13.6ポイント改善した。

一方、非製造業はマイナス7.8で1.3ポイントの小幅な改善にとどまった。「建設業」が6.3ポイント、「その他非製造業」が6.7ポイントそれぞれ改善。「運輸業」は大型連休で稼働率が低下し、2.5ポイント悪化した。卸売業は3.0ポイントの悪化、小売業は2.7ポイント、サービス業は1.6ポイントの改善だった。

人流の回復によって製造業・非製造業ともに景況感は改善傾向にあるものの、エネルギー・原材料価格の上昇分の価格転嫁の遅れや人手不足が収益の足かせとなっており、先行きへの警戒感が残っている。

調査は都道府県中央会に設置されている情報連絡員(協同組合、商工組合などの役職員約2600人に委嘱)に対し、所属する組合の組合員の全体的な景況(前年同月比)を聞いた。

詳しくは、全国中小企業団体中央会のホームページへ。

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