調査

前月比3.9ポイント改善:5月末の小規模企業業況

2023年 6月 27日

全国商工会連合会がまとめた5月末時点の「小規模企業景況調査」によると、産業全体の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス14.4となり、4月末に比べ3.9ポイント改善した。ゴールデンウイークやインバウンド需要拡大の効果が観光業から幅広い業種へと波及した。また、価格転嫁や新規の販路開拓・事業展開などでコスト高に柔軟な対応する事業者が増えてきている。

業種別の業況DIをみると、製造業がマイナス14.9で6.9ポイント改善した。受注の回復を受け、機械・金属関連が大幅に改善した。食料品関連は観光関連の需要は伸びる一方で、巣ごもり需要の減少や物価高騰による消費の落ち込みがあり、小幅な改善にとどまった。

建設業はマイナス22.8で1.8ポイントの小幅悪化となった。コロナ禍に比べ受注も増え、資材の入荷遅れなども解消されたが、人材不足やコスト高が足を引っ張った。また、公共事業の動きに鈍さがみられ、先行きの不安材料になっている。

小売業は、マイナス22.5と4.8ポイントの改善。衣料品関連で外出機会が増えた効果が顕著に表れているほか、耐久消費財関連で納品遅れが解消されたことが反映された。サービス業はプラス2.7と5.8ポイント改善した。旅館関連では大型連休での旅行・帰省、訪日客の増加から業況が明るいものの、人手不足で稼働を上げられない状況が続いている。

調査は全国約300商工会の経営指導員が対象。5月末時点の景況感を調査票に選択記入した。

詳しくは、全国商工会連合会のホームページへ。

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