業種別開業ガイド
情報処理業
- 情報サービス産業の市場規模は、2000年問題も寄与した1999年に10兆円を突破し、業界初の会社が生まれてから約40年、業界全体としては年平均10~20%の成長を遂げ、いまや14兆円を越える市場規模。
- また、世界最先端のIT国家を目指して2001年に発足したe-Japan戦略は通信インフラなどの整備を進め、2003年からはコンテンツ作りや電子政府、企業の生産性向上などのIT利用を拡大する第二幕へと進んだ。超高速ネットとデジタル端末を利用できるブロードバンド時代が現実のものとなり、教育、医療、介護など公共サービスへの情報サービスの需要も期待される。
1.起業にあたって必要な手続き
情報処理業を開設・営業するにあたっては、公的な資格や行政の認可を受ける必要はない。一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。
以下のような情報処理関係の資格を取得している社員を雇うことが、仕事の受注に有効となる。
- システムアナリスト
- プロジェクトマネージャ
- アプリケーションエンジニア
- ソフトウェア開発技術者
- テクニカルエンジニア(ネットワーク)
- テクニカルエンジニア(データベース)
- テクニカルエンジニア(システム管理)
- テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)
- 情報セキュリティアドミニストレータ
- 上級システムアドミニストレータ
- システム監査技術者
2.起業にあたっての留意点・準備
仕事の確保
情報処理業は、社員の技術的な能力やコミュニケーション力などの人的資源がきわめて重要となる。そのため仕事の受注には今迄の実績や評判が必要であり、飛び込みで仕事を確保することは難しい。
そのため、起業の際は起業前からつきあいのある会社などから受注の見込みをある程度確保することが必要である。
人員の確保と引きとめ策
上述のとおり、情報処理業は社員の能力にすべてを負う。そのため、能力が高くて信頼のおける社員の確保が必須である。
また、優れた能力を持った社員が自社を辞めて他社に移ってしまうと、無形のノウハウがすべて流出して大きな損失を被る。そのようなことがないよう、報酬制度といった直接的なインセンティブのほか、社員教育や福利厚生等の間接的なインセンティブ施策を準備する必要がある。
コンプライアンスとリーガルマネージメント
近年、一連の個人情報流出によって個人情報保護法が施行され、クライアントや世間からの法令遵守の要求が厳しい。また、情報処理業においてはクライアントの重要情報を扱うことが多いため、モラルの高い従業員を雇用し教育する等のコンプライアンス施策が必須である。
また、情報処理業における受注金額、回収時期、機密保持、瑕疵(かし)担保、納品物等の契約には業界独特のノウハウを要するので、IT業界の契約事項に精通した法務担当者・営業を雇用する等して、リーガルマネージメントに備える必要がある。
3. 必要資金例
社員を3人雇って会社を設立した場合の必要資金例
(単位:千円)
4.ビジネスプラン策定例
●初年度売上計画例(5ブース/社員3人)
(単位:千円)
●モデル収支
(単位:千円)
●初期投資回収 5年度
* 売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月