業種別開業ガイド
コーヒーショップ
- 店格と味にコーヒーショップとしての専門性を示し、経営者がそれにふさわしい知識と接客態度を示すことが求められる。
- 味の専門店として固定客に信頼されるには、自家焙煎を行ない独自の「風味」にこだわっていることが必要である。
- フランチャイズ・システム(FC)のコーヒーショップは低価格のスタンドコーヒーショップを多店舗展開しているが、業界全体としては参入店よりも撤退店が多く、総数としては減少傾向にある。
- 顧客はコーヒーショップに対して二極分化している。打合せや待ち合わせの店としては低価格と手軽さを求めてスタンドコーヒーショップを選択し、コーヒーと雰囲気を楽しむためには高級専門店を選んでいる。したがって、中間に位置する店は撤退を余儀なくされた。
- 近年の若者や女性客は店を選ぶのに流動的で、カフェのようなおしゃれな営業形態の店を選んでいる。したがって、顧客特性(ライフスタイル等)を把握した店づくりをすることが大切である。
- 出店に関しては店頭の通行人が多いことが絶対条件となるため、他の費用を割いてでも出店時に立地のよいところを選ぶ。
1.起業にあたって必要な手続き
飲食店の開業にあたっては、営業許可を所轄保健所の食品衛生課に申請する。また、食品衛生法では、各店に1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。
食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師等の資格が必要である。資格者がいない場合、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できる。
一般の開業手続きとして、個人であれば税務署への開業手続き等、法人であれば、必要に応じて、健康保険・厚生年金関連は社会保険事務所、雇用保険関連は公共職業安定所、労災保険関連は労働基準監督署、税金に関するものは所轄税務署や税務事務所にて手続きをする。
2. 起業にあたっての留意点・準備
- 営業形態としては、
・ カフェ(喫茶)
・ カフェバー(喫茶とアルコールが楽しめる店)
・ カフェレストラン(喫茶と食事を気軽に楽しめる店)
・ カフェテリア(料理をセルフで自分のテーブルに運んで食べる店)
・ カフェテラス(庭付きの喫茶店)
などがある。 - 事業所数は、平成13年と16年を対比すると、88,924件から83,684件に(▲5.9%)、従業員数は、同329,198人から314,944人(▲4.3%)にそれぞれ減少している(総務省「企業統計調査」)。
- 顧客はコーヒーに対して対価を支払うのではなく、提供された雰囲気や過ごした時間に対する満足度に支払う。そのため、コーヒーの美味しさとともに、自店に求められる特性を見極めてそれを発揮しなければならない。
- 店の雰囲気や商品の味に差別化を図ることが繁盛店となるポイントである。専門店として要求されるものは、焙煎の特徴、雰囲気、新商品への研究心、豆へのこだわり、アイテムの豊富さ等があり、これらをクリアすることが必要とされる。
- ランチ時は食事メニューの提供により客単価をアップすることが可能となる。しかし、専門店としての店格が低下する危惧もあるので軽食に止めることが肝要とされる。また、ナイトタイムには酒類の提供が客単価アップに効果的である。
3. 必要資金例
駅周辺に30坪、40席の店舗を出店するものとする
(単位:千円)

4. ビジネスプラン策定例(モデル収支例)
●初年度売上計画例
(単位:千円)

●モデル収支例
(単位:千円)

●初期投資回収 3年度
- ※売上計画やシミュレーション数値などにつきましては、出店状況によって異なります。また、売上や利益を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。
最終内容確認日2014年2月