売れる商品をつくるコツ
第6ステップ:価格を設定する
価格設定は商品開発の戦略で重要なポイントです。販売価格を決める場合、「コスト」「需要のレベル」「競合品の状況」という3つの点を考慮します。
コストを重視した価格設定
競争がなく、ある程度の需要が明確に見込まれる場合は、製造コストに対して一定の利益率を上乗せして販売価格を決める方法(マークアップ方式)を取ることができます。
この方法では、価格設定の主導権が企業側にあるため簡単に価格を設定できます。しかし、設定価格と市場で受け入れられる価格との間にギャップが生じた場合、売上目標の達成が困難になると考えられます。
価格に対するターゲットの反応
第4ステップの試作品テストの際、価格に対するターゲットの反応を調べることができます。実際には4つ程の短い質問をし、その結果をグラフ化することで以下の3つの価格が得られます。
- 上限価格
これより高いと購入を拒否する人が激増する価格 - 下限価格
これより安いと品質不安が激増する価格 - 認識価格
ターゲットがほぼ妥当だと認識した価格
戦略的な価格設定
上述の3つの価格を考慮しながら戦略的な価格設定を行います。
- スキミング・プライス(上澄み吸収価格)戦略
上限価格に近い高価格を設定する戦略です。この戦略の目的は早い段階での投資コストの回収です。この戦略を採用するためには、その企業がマーケットリーダーであり、製品の需要と価格とにあまり関係のないことが前提となります。
この戦略では最初に高い価格を設定しますが、競合他社が参入してきた場合、価格を段階的に認識価格レベルにまで下げて市場への定着を急ぎます。 - ベネトレーション・プライス(浸透価格)戦略
下限価格に近い低価格を設定する戦略です。この戦略の目的は低価格を武器にマーケットシェアを拡大することです。この戦略は、競争の厳しいマーケットで自社の市場支配力がなく、製品の需要が価格に左右される場合に採用されます。