売れる商品をつくるコツ

第2ステップ:アイデアを発想する

第2ステップでは、第1ステップの市場状況分析から得られた商品開発テーマを基にアイデアを生み出します。そのポイントについて説明していきましょう。

開発テーマ周辺の定性情報の収集(消費者を知る)

まず、商品開発テーマ周辺の定性的な情報を得ましょう。最も手軽に定性情報を収集する方法はグループインタビューです。特定の顧客層に焦点を絞り、1グループ5名程度のグループを複数個つくります。そして商品開発テーマ周辺の事柄について自由に意見交換してもらいます。その際、司会者は参加者相互の話がなるべく広がるように導くことがポイントです。

グループインタビューのほかにも定性情報の収集としてパーソナルインタビューがあります。特定の顧客層に焦点を絞ることはグループインタビューと同じですが、あくまでも1対1で情報を収集するので、商品開発テーマをさらに掘り下げて分析したいときに実施してみましょう。

そのほかの情報収集方法として、モニター制度などを活用して商品開発の周辺テーマに関する生活情報を収集することも有効です。

定性情報の読み込みと洞察

グループインタビューなどで収集した情報について、商品開発テーマ周辺に関する部分を抽出してテキスト化し、それを読み解くことがつぎの作業になります。それぞれのテキストを深く読み込んで、消費者の特徴的な生活シーンをイメージしていきます。そして生活シーンの背景にある消費者の購買心理を洞察してパターン化し、同じカテゴリーと思われるものをまとめていきます。

アイデアの発想

定性情報をまとめる段階でアイデアが生まれることもあるので、それはストックしておきましょう。パターン化された定性情報と、市場状況の分析によって得られたキーワードに対してアイデアを発想していきます。商品開発テーマを出すときに行った「自社のマーケティング活動の分析」や「市場での既存商品のポジショニング」「消費者生活シーン、購買心理」など、いままでに得られた情報を基にアイデアを創造していきます。

アイデア発想の着眼点としては、「どこにギャップがあるか」「消費者の認識の変化はどのようなものか」「新しいニーズは見つけられないか」「革新的な提案はないか」などがあります。ここでは複数のアイデアを出していくことが重要なので、アイデアを絞り込む必要はありません。

アイデアの絞り込み

発想されたアイデアを事業化するために、アイデアを絞り込むことがつぎの段階になります。アイデアの絞込み方法としては、まず発想されたアイデアと市場の適合性とを評価します。それぞれのアイデアは定性情報や市場状況の分析によってターゲットとなる市場が想定されています。それぞれのアイデアが属する市場をグループ化します。そのグループ化した市場を評価し、自社に最も合った市場を選択することになります。

つぎにアイデアと自社との適合性を評価します。評価対象としては、事業領域全体の中での位置関係、既存商品との位置関係、自社加工技術の適応性が考えられます。

以上のような手順で外部環境、内部環境との評価を行うことにより、アイデアが絞り込まれることになります。

アイデアの発想のフロー