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支援者ら約260人に向け「AIの活用」「対話と傾聴」を強調:経営力再構築伴走支援フォーラム
2026年 2月 24日
中小企業支援の在り方について議論する「経営力再構築伴走支援フォーラム~AI時代における伴走支援とは」が2月21日、東京都千代田区の「Deloitte Tohmatsu Innovation Park」で開催された(オンラインで同時開催)。フォーラムは中小企業支援に携わる機関・団体や行政機関、中小企業診断士、税理士、弁護士などを対象にしたもので、会場に約100人が訪れたほか、オンラインで約160人が参加した。
フォーラムでは、まず伴走支援を推進している中小企業庁の山下隆一長官が挨拶。「支援する人たちのスキルが高まらないと上手な伴走ができない。支援者が切磋琢磨してレベルを上げていくことがこの国全体にとってプラスになる」と述べた。
続いて元中小企業庁長官の角野然生氏、中小機構の宮川正理事長、デジタル庁の岡田智裕審議官がそれぞれ講演を行った。このうち、東日本大震災のあと福島相双復興官民合同チームの初代事務局長として被災地の復興に携わった角野氏は、約8000の中小企業・小規模事業者の支援に際して「聞き役に徹する」などの「チーム五箇条」を掲げ、被災者に寄り添いながら粘り強く支援を続けた結果、帰還住民にとって必要なスーパーの再開にこぎつけた事例などを紹介。「(支援先との)対話と傾聴によって信頼関係が成立する」と強調した。
一方、宮川理事長は伴走支援へのDXとAIの活用について講演し、中小企業のDXを支援する補助金や中小機構がウェブ上で提供しているツールを紹介。さらにビジネスマッチングサイト「J-GoodTech(ジェグテック)」でAIを活用する取り組みなどを進めているとしたうえで「まだAIは発展途上だが、必ず強力な武器になる」と述べた。中小企業庁で経営支援部長などをつとめた岡田審議官もAIの活用に触れた。ホームページなどウェブ上の情報をもとにAIがある中小企業のSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威を分析するフレームワーク)をわずか数分で分析を終えたとし、「AIによって生み出された時間を支援先企業との対話と傾聴に使うことができる」と話した。
また、「伴走支援の本質とは何か」と題したパネルディスカッションには、埼玉県商工会議所連合会広域指導員の黒澤元国氏、アテーナソリューション代表取締役の立石裕明氏、板橋区立企業活性化センター長の中嶋修氏、アルパーコンサルティング代表取締役の古川忠彦氏が登壇。伴走支援の当事者として、AIでは代替できない対話と傾聴の重要性などについて意見を交わした。
経営力再構築伴走支援は、経営者との「対話と傾聴」を通じて経営者に企業の本質的な課題への気づきを促し、企業の「自己変革力」の向上と「自走化」の促進を図っていく支援方法。2022年に中小企業庁が中小企業・小規模事業者に寄り添った望ましい支援の在り方として打ち出し、2023年には実際の支援事例や効果的なノウハウなどを織り交ぜた「経営力再構築伴走支援ガイドライン」を策定。伴走支援が全国で幅広く実施されるよう働きかけている。
経営力再構築伴走支援については伴走支援プラットフォームへ。