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中小の新技術をマッチング 新技術創出交流会2023開催:東京都中小企業振興公社

2023年 10月 26日

新技術創出交流会2023

東京都中小企業振興公社多摩支社は中小企業の新技術を大企業などにマッチングする「新技術創出交流会2023」を、東京都立多摩産業交流センター東京たま未来メッセ(東京都八王子市)で開催した。会期は26日まで。

この交流会は、事前に中小企業側が自社技術をアピールするシートを作成し、大企業がそれを閲覧して、マッチング希望の指名を受けた中小企業のみが参加し、対面でのマッチングと技術展示を行うというもの。中小・大手とも技術連携に意欲のある企業が参加するため、成約の可能性が高い。今回は中小270社が参加した。

京王電化工業は高度なメッキ技術を展示

京王電化工業株式会社(東京都調布市)は、マグネシウムに無電解ニッケルメッキを施したものなど、他社が手掛けないメッキ技術を展示している。同社技術部の日吉重太氏は「自動車、半導体製造装置関連の企業からマッチングのオファーを受けている。医療向けなど新しい用途開発にも結び付けたい」と期待している。

未来科学株式会社(同千代田区)は低温でプラズマを発生する技術を展示する。低温プラズマ技術は、米国でゲームチェンジテクノロジーと評されており、材料開発、環境への貢献などさまざまな用途が期待されている。本杉亀一営業部長は「中国で行った実証実験で二酸化炭素を9・04%分解する結果を得た。今回も4社からマッチング依頼をもらっている。大手と連携して新たな開発に取り組みたい」と自社技術に自信を持っている。

オクト産業の子どもの置き去りを防止する装置

オクト産業株式会社(同板橋区)は、保育所などの送迎用バスの子ども置き去りを防ぐ安全装置「HILLOCK」を展示する。エンジンを作動させると自動的に装置が起動し、エンジンを切ると車内に警報音が鳴る仕組みで、子どもが残っていないかを確認しないと大音量が続く。マーケティング担当の月橋亮氏は「5月に発売してすでに100台以上販売した。安全装置の設置義務化が4月に始まり、1年の猶予期間をおいて来年4月から本格的に義務化となる。たくさんの需要を取り込みたい」と言う。

壷坂電機は海外展開のパートナーを探す

壷坂電機株式会社(同八王子市)は、カメラ用測定器、画像機器用測定器を展示する。LEDで太陽光に近い光の質を評価でき、カメラやドライブレコーダーなど色を認識する分野に必要な計測装置となっている。内藤学武営業部課長は「日系企業の海外工場向けや中国の自動運転技術関連など、40%が海外向けになっている。専門分野に詳しい商社と組んでいきたい」と海外展開に向けたパートナー探しに期待しているという。

東京都中小企業振興公社の須﨑数正多摩支社担当部長は「今回は出展、マッチング件数とも過去最大規模なった。大手からの要望もこれまでの加工だけでなく、設計やソフトウエア、AIなど拡大している。オープンイノベーションの流れが加速していることを実感する」とマッチングの成果に手ごたえを感じている。

詳細は東京都中小企業振興公社のホームページまで。