支援

HI-DEC入居企業がASD治療の医師主導臨床開始:中小機構近畿本部

2023年 8月 1日

中小機構近畿本部は8月1日、中小機構が運営するビジネスインキュベーション〈起業家支援〉施設、神戸健康産業開発センター(HI-DEC〈ハイデック〉、神戸市中央区)に入居するバイオベンチャー企業、シンバイオシスが自閉スペクトラム症(ASD)の治療に向けた医師主導特定臨床研究を開始した、と発表した。

シンバイオシスは目に見えない微細な泡を含んだ水の製造技術を持っている。この技術は健常人の腸内細菌を移植して病気を治療する「腸内細菌叢移植」(腸内フローラ移植)の移植用菌液に活用されており、腸内フローラ移植を臨床研究する医療機関に継続して提供している。腸内フローラ移植は、発達障害の一つであるASDへの効果が期待されており、今回の臨床研究で、この技術によって製造された微細な泡で他人の腸内細菌を効果的に移植させ、ASDの治療を目指す。

5~12歳の小児を対象に医師主導特定臨床研究を開始し、6医療機関で30症例を予定している。一般的に用いられる抗菌薬投与や腸管洗浄を必要とせず、投与する細菌数が少ないため、治療を求める患者、特に小児にとって体の負担が軽い治療法として期待されている。

中小機構では、シンバイオシスが保有する技術にかかる販路開拓・テストマーケティングや研究資金獲得などを支援し、技術の社会実装をサポートする。

詳しくは中小機構のニュースリリースへ。