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「新価値創造展 in 機械要素技術展 2023」開幕:中小機構
2023年 6月 21日
中小機構が主催する中小企業の最先端のものづくり技術を紹介する展示会「MiraiTech新価値創造展 in 機械要素技術展 2023」が21日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。新型コロナ感染症による行動規制が解除されて以降、初の本格的な中小企業展示会の開催。出展企業は、新たな顧客獲得や新市場開拓に奮闘していた。開催は23日まで。
今回の新価値創造展は、国内最大級のものづくり系専門展示会である日本ものづくりワールド 機械要素技術展2023(主催:RXJapan株式会社)の関連展示会として同時開催した。出展した80社は、新価値創造展への来場客だけでなく、ものづくりワールド来場者へのアプローチを通じて、より広い業界に向けた訴求が実現する。

RT.ワークス株式会社(大阪市東成区)は、高齢者の歩行を助ける「ロボットアシストウオーカー」で培った、車輪駆動モーターやアシスト制御ユニットを応用し、重量物を搬送する台車にアシスト機能を持たせた商品を展示した。上り坂では人間の押す力をアシストし、下り坂では自動的にブレーキがかかり、安全で負担のない搬送が実現できるという。「これまでのロボットアシストウオーカーの実績を踏まえ、1ユニット5万円程度からという安価で提供できる。展示会にはさまざまな業種の方が来場するので、たくさんの要望を聞き、開発に役立てたい」(神品淳開発製造本部部長)と期待感を示した。

有限会社米山金型製作所(長野県松川町)は、マイクロメートルレベルの精密金型を手掛ける。医療用の極細注射針用金型や血液検査用のマイクロ流路金型など、微細加工技術で定評がある。村松善太郎社長は「コロナ感染中にオンライン展示会にも出展したが、反応は薄かった。やはり顧客の生の声を聴けるリアル展示会がありがたい。電気自動車用の部品加工など、難加工を要求する新規のお客さまを獲得したい」と意気込んでいる。

富士岐工産株式会社(北九州市八幡西区)は、さまざまな素材に溶射技術で金属やセラミックスなどの表面処理を行う技術を持つ。プラスチック素材に亜鉛やステンレスなどの金属の被膜を施したものや、金属表面にガラスを吹き付けたものなど、異素材による表面処理の実例を多数展示する。「まだまだ適切な用途がわからない組み合わせも多い。溶射という技術を知らないお客様もいる。展示会で実際に見てもらうことで、新たな販路を開拓できれば」(熊本研太郎管理部総務課係長)と、説明に熱を込めていた。
開催の詳細は中小機構のホームページまで。