よくわかる食品原価管理の基本とポイント

第6回 経費となるもの

かつての日本企業は「コスト」についてあまり厳しくありませんでした。つくれば売れる時代であり、コストに利益を上乗せするだけでモノは売れたからです。

しかし、いまは簡単に売上を上げることはできません。多くの競合品がある中で、自社の製品だけを高く売ることはできません。企業が生き残るためには、コストを下げる努力と価値あるモノをリーズナブルな価格で販売しなければなりません。

「特別企画 食品原価管理の基本とポイント」では、加工食品におけるコストダウンの基本とポイントをわかりやすく説明します。

「経費」は種々の費用の集合です。製品の製造に直結した「外注加工費」「設計料」、また工場の建設や設備に関する「減価償却費」「賃借料」なども該当します。材料の燃料費となる「電力料」「ガス代」も経費となります。また、製造現場で使われた「通信費」「旅費交通費」も経費です。

主な経費

そこで経費について主なものを以下に説明します。

  1. 外注加工費
    例えば、食品会社で製品を包装する工程を他社に委託した場合、その費用は直接経費になります
  2. 特許権使用料
    特許製品を製造しようとする会社は、「知的財産権」の所有者に対して一定の特許使用料を支払うことで製造ができます。その使用料が経費となります。
  3. その他
    水道光熱費、リース料、減価償却費なども経費です。
  • 例えば、旅費・交通費に関しては、営業担当が使用すれば販売費になり、工場の技術者が使うと製造原価になります。同じ用途で使った費用も営業と工場の人間では適用する費目が異なるのです。

(高橋順一 コンサルティング・オフィス高橋 代表/中小企業診断士)