IT導入補助金:予約管理システムなどのITツール導入費用を補助
地域の創業支援制度:各自治体が独自の補助金や低利融資を提供している場合がある
売上計画と損益イメージ
最後に、旅行会社(代理店等を含む)を開業した場合の1か月の収支をシミュレーションしてみよう。
まず、売上イメージを以下のように設定する(例)。
売上見込みから支出見込み(前項、運転資金例)を引いた損益イメージは次のようになる。
※旅行業の売上は「取扱額(旅行代金全額)」ではなく、そこから原価を引いた「手数料・企画料(粗利)」で考えることが経営安定のポイントである。
※開業当初はオーナー1名で運営し、固定費を極限まで下げることで損益分岐点を低く設定する。
一般的に旅行会社は利益率が低く、特に開業初期は事業を軌道に載せにくい。利益率を高めるためのヒントを最後に紹介する。
(1)「相談料」の有料化
従来、旅行の相談は無料が当たり前だったが、専門知識に対する対価として「旅行相談料」を設定するケースが増えている。「あなたにプランニングしてほしい」と思わせるブランディングができれば、成約率の高い優良顧客を確保できる。
(2)地域の補助金・助成金の活用
自治体が実施する観光促進キャンペーンの取扱事業者になることで、送客手数料の上乗せなどが期待できる。地域の観光協会や商工会議所と密に連携をとることが重要だ。
(3)副業・兼業からのスタート
いきなり独立するのが不安な場合、「旅行業者代理業」として既存の旅行会社と契約し、副業的にスタートする方法や、週末起業として「ツアーコンダクター(添乗員)」から業界経験を積むのもひとつの手である。
旅行業は、平和産業とも呼ばれる。社会情勢に左右される脆さはあるものの、人々の人生を豊かにするかけがえのない仕事である。確かな事業計画とユニークなアイデアで、新しい旅の扉を開いてもらいたい。
※開業資金、売上計画、損益イメージなどの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)