仕事のスケジュール調整が難しい
制作予算が安い現場では、報酬も安くなる
開業の4ステップ(一例)
近年、動画マンの仕事はほとんど海外に発注されるようになったので、国内ではもうあまりみられなくなった。したがって技術のある人は、原画にかかわる仕事からスタートすることが多いとされる。
開業の初期費用例
現在活躍しているアニメーターは、デジタル作業が中心だが、手描きだけで作業をするアニメーターもいれば、手描きとデジタルのどちらでも絵が描けるアニメーターもいる。手書きであれデジタルであれ、まずは、自分にとって必要で、使いやすい道具をそろえることが重要だ。道具をそろえれば、あとはスキルで勝負することになる。
収入
個人事業主の場合、完全出来高制の報酬であるため年収は安定しないが、スキルがあれば500万円を超える年収を得ることも可能である。スキルが高く人脈がある人ほど仕事が来る。
個人事業主のアニメーターは自宅で作業することが多いが、業務を委託され、アニメ制作会社の社内スタッフとして働いているケースもある。
「アニメーション制作者実態調査報告書2019年」(一般社団法人日本アニメーター・演出協会)によると、アニメーターの半数はフリーランスとして働いている。個人事業主は、自分の裁量で仕事ができることと、複数の制作会社からの仕事ができることがメリットだ。
アニメにはさまざまなジャンルがあり、アニメーターにも作品の好き嫌いや描きやすさがあるため、自分の得意な表現があれば、それに合う仕事が来るようになる。
▼アニメーターの年間収入
(「アニメーション制作者実態調査報告書2019」一般社団法人日本アニメーター・演出協会)
必要なスキル
1. 画力
キャラクターや風景、建物を正確に描くデッサン力に限らず、キャラクターをどのアングルからでも描ける力や構成力が求められる。
2. 演出力
アニメーターの仕事として重要なのは、絵を使ってキャラクターに演技をさせることである。そのシーンにふさわしいキャラクターの表情や動きを作っていく力、つまり演出力が求められる。実写と違って、絵で表情や動きを表すので、視聴者に「わかりやすい表現」ができるかどうかが肝になってくる。
3. コミュニケーション力
アニメ制作の現場は、たくさんのスタッフによって分業されている。現在制作しているアニメにはどのような絵が求められているのか、どのような表現が必要とされているのかを把握するには、様々なタイプのスタッフとうまくコミュニケーションを取る能力が重要になる。
4. 地道な作業を遂行する力
30分で放映されるテレビアニメの場合、原画は300~400カット程度が必要であり、動画の枚数は3,500~5,000枚程度といわれている。もちろん、これを一人でこなすわけではないが、収入につながる分量をこなすには、地道な作業を積み重ねる根気が必要である。テレビや劇場で自分の描いた絵が生きているかのように動く画面を見たときの喜びは格別といわれる。スタッフロールに自分の名前が掲載されれば、人に誇ることもできるだろう。
個人事業主として継続的に仕事をするためには
1. 安定した作画力とスピード
アニメ制作には常に締め切りがつきものであり、納品のタイミングは守らなければならない。そのためには、安定した作画力と締め切りに間に合うスピードで作品を仕上げる力が要求される。
2. 横のつながりを重視する
アニメ制作の現場は業界が狭く、横のつながりが強いので、優れた技術のあるアニメーターは独立したとき、このつながりから仕事が来ることが多い。
3. デジタル技術を身に着ける
これからはアニメーションの制作の現場もデジタル化され、ペーパーレスの時代になっていく。また、デジタルで絵を描く技術を持っていると海外とのやりとりもパソコンひとつでできるので、これから個人事業主として活躍することを考えているのであれば、まずデジタルのスキルを身に着けておくべきだろう。
※開業資金、所得イメージの数値は、開業状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)