利用客や商圏の特性をしっかり把握して持続的なメニュー開発が必要
食品衛生管理や接客面でのリスク管理に対して細心の留意が必要
持ち帰り弁当店開業の10ステップ
「持ち帰り弁当店」の開業に必要な資格
まず、国家資格である「食品衛生責任者」を施設に1名以上配置しなければならない。「食品衛生責任者」は、安全な食品を提供するために衛生管理を行う担当者で、施設・設備の衛生管理、食品の取り扱いについての管理などを担う。食中毒による営業停止を避けるためにも、重要な資格となる。取得には、養成講習会に参加する必要があるが、現在ではeラーニングが用意されている都道府県もある。ただし、栄養士や調理師などは講習が免除され、保健所などへの申請のみでこれを取得できる。
また「飲食店営業許可」も必要だ。これも衛生管理のために知事が定めた製造施設・設備の基準に適合しなければならず、施設所在地を管轄する保健所で、基準を確認。その後、申請すると検査が行われ、営業許可書が発行される。ちなみに、惣菜などを他の施設に出荷・卸売する場合には「そうざい製造業」の許可、スイーツやデザートも扱う場合には「菓子製造業」の許可、キッチンカーを道路で営業するなら「道路使用許可」がそれぞれ必要となるので、業態に応じて対応が必要だ。
「持ち帰り弁当店」を開業するのに必須ではないが、惣菜などの食品の開発・製造・加工・流通・企画・販売に関して幅広い知識を得るために、一般社団法人日本惣菜協会が実施する「惣菜管理士」という資格試験がある。3級から1級まで各6科目の講習内容があり、所定の通信教育を受講した上で資格試験を受験し合格すると取得できる。
「持ち帰り弁当店」の開業資金例
「持ち帰り弁当店」の開業資金を、3つの業態ごとに例示してみよう。
1. 店舗型の場合
店頭で弁当を詰めて販売する業態で、チェーン店などに多くみられる。店舗の立地がその後の営業に大きな影響が与えることになるので、人通りや交通量などについてはぜひ開業前に調べておきたい。いわゆる「居抜き物件」を探したり、中古の業務用厨房機器を専門に扱うショップもあるので、うまく活用して開業資金を節約したい。個人経営の店舗であれば、内装・外装の一部をDIYで済ませることで個性を打ち出すなどアイデア次第だ。
2. 宅配型の場合
「宅配型」は、店舗を持たず、注文ごとに弁当をつくって配達するという業態だ。店舗を持たない分、費用を安く抑えることができる。その地域の顧客ニーズにマッチすれば、1回限りの注文ではなく、長期的に利用してもらえる可能性がある。
3. キッチンカー型
移動販売車でオフィス街の広場やイベント会場に赴き、その場で弁当をつくって販売するという業態。宅配型よりさらに初期費用を抑えられるが、顧客ニーズとマッチした販売スペースを確保できるかどうかが課題となる。
以下に持ち帰り飲食サービス業と配達飲食サービス業の黒字企業の営業データを参考として示す。複数店舗展開をしている事業者も多く、その全体の合計数値となっている。
開業資金の数値は、出店状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元にした一般的な内容のものであるため、開業を検討する際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)