中小企業の海外展開入門

STEP2「販路開拓へ入念な準備」

1. 海外見本市への出展

輸出先の国で販路開拓する方法として、現地の見本市への出展があります。
見本市では、その場で商談が成立することもあります。
また直接的な販路開拓だけではなく、展示会でアンケートを実施するなどして商品開発に有効な情報収集の場としても活用できます。

支援として「中小企業海外展開総合支援事業(展示会の活用)」などさまざまな公的機関で支援策を実施していますので、活用することも一案です。

2. 関連先の開拓

その市場をよく知る現地の商社、輸入業者、代理店を見つけましょう。
ターゲット市場での販売チャネルを確立させるためには、現地での信頼できる取引先の確保が最も重要になります。
複数の現地の取引先候補と実際に会い、交渉を重ねたうえで取引先を選定しましょう。

3. 輸出商品を決定する

輸出する商品には以下の2つのパターンがあります。
a.国内で販売している既存商品を海外で販売する
b.海外市場向けに商品を改良する、もしくは開発する

ターゲット市場や商品によって最適方法は異なります。現地の取引先のアドバイスを取り入れながら、輸出商品を決定します。

4. 販売計画の策定

販売計画は、「だれに」「なにを」「どのように」販売するかを計画するものです。
販売価格を決め、販売数量を見込みます。

輸出商品の場合、製造費のほかに運賃や保険料、関税などの諸経費、および現地の商社や代理店が得る中間マージンなどが上乗せされるため、一般的に現地商品よりも割高になります。
その価格に見合う価値が商品にあるかがポイントになります。

事例

繊維メーカーのB社は、独自に開発した高品質・高付加価値の繊維を欧米の展示会に出展したことから、海外のブランドメーカーとの取引を開始しました。
現在、同社の製品は世界的に高く評価されています。

<林 隆男 ライジングコンサルタンツ(株)代表取締役 中小企業診断士・ITコーディネータ/飯野恵美 中小企業診断士>


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STEP3

輸出品関連の法規制に配慮

国内の輸出管理規制と輸出国の品質・安全基準を 十分に配慮する。