よくわかる地域ブランド食品づくりの基本
最終回 商品ストーリーづくりと販売チャネル
近年、地域の観光施設や農産物直売所、道の駅、空港の売店などでいわゆるご当地カレーやドレッシングなどをよく見かけます。これらの地域特産加工品を生産しているのはほとんどが中小企業です。しかも大企業がつくったカレーやドレッシングの数倍の価格で販売されています。
なぜそのような価格でも売れるのでしょうか。それは地域ブランド食品に購買者を引きつける魅力があるのです。
そこで「よくわかる 地域ブランド食品づくりの基本」では、地域のブランド食品を開発するための基本とポイントについて4回にわたりわかりやすく説明します。
1.商品ストーリーづくりの手順
開発商品が決定したあとは、商品ストーリーづくりとなります。商品ストーリーづくりの手順は基本的に以下のようになります。
- 生産者のこだわり
商品の魅力、優れている点、原材料の希少価値、栽培方法など思いつくことをあげてみてください。 - 購入してくれるターゲット層
どのような人たちが購買してくれるのでしょうか。購買ターゲットを想定してください。 - お客さまに伝えたいストーリー
生産者の言葉で伝えたいストーリーを書いてください。これを文章にしたものが商品ストーリーです。
2.商品ストーリーの類型
商品ストーリーには基本的な類型があり、その類型に応じて何を訴求するかを追求します。また訴求点を組み合わせて商品ストーリーを構成することも有効です。
3.販売チャネル
商品ストーリーをつくり上げたら、次は商品をいかに売るかです。そのためには販売チャネルをよく知ることが重要です。そのキーポイントは販売先の複合化です。
そして最も利益が出るチャネルに力を入れることです。要するに買いたたかれる状況をできるだけ回避することです。
(高橋順一 コンサルティング・オフィス高橋 代表/中小企業診断士)