よくわかる地域ブランド食品づくりの基本
第1回 原材料の確保と地域特産品の類型
近年、地域の観光施設や農産物直売所、道の駅、空港の売店などでいわゆるご当地カレーやドレッシングなどをよく見かけます。これらの地域特産加工品を生産しているのはほとんどが中小企業です。しかも大企業がつくったカレーやドレッシングの数倍の価格で販売されています。
なぜそのような価格でも売れるのでしょうか。それは地域ブランド食品に購買者を引きつける魅力があるのです。
そこで「よくわかる 地域ブランド食品づくりの基本」では、地域のブランド食品を開発するための基本とポイントについて4回にわたりわかりやすく説明します。
1.規格外の農水産物の活用
農水産物の規格外品とは、一般に「ハネモノ、ヒネモノ」と呼ばれるもので、サイズが大きすぎたり小さすぎたりするもの、キズがあるもの、変形したもの、農協や漁協が引き取らないものを指します。
このような規格外品を活用して加工品を製造して観光施設や道の駅などで販売することができれば生産者も安定した生産ができます。まずは原材料として規格外品の活用について考えましょう。
2.地域に加工の仕組みをつくる
地域の菓子店や食品メーカーが地元の農水産物を活用できない大きな原因は、1次加工の仕組みがないことです。地域内において農家、漁業者、加工業者、流通業者がパートナーとなって加工の仕組みを構築することが、地域ブランド食品をつくるキーポイントとなります。
農産物の加工パターンの1例を示します。
3.地域特産品の類型
地域ブランド食品は大きく4つに類型化できると思います。それは「地域名由来」「地域農林水産物由来」「地域農林水産物を利用した料理由来」「地域農林水産物を原料にした1次加工品」です。
地域それぞれに様々な特産品があります。これらは、地域で多く採れる農産物で作られていた料理や保存食品などです。地域ブランド食品はこのような地域特産品をベースとして開発されているものが殆どです。
(高橋順一 コンサルティング・オフィス高橋 代表/中小企業診断士)