ビジネスQ&A

HACCP対応のための支援制度はありますか?

2021年 6月 3日

社員16人(うちパート5人)の食品製造業を経営しています。HACCP制度化にともなう支援制度はありますか?

回答

令和3年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者はHACCPに沿った衛生管理に取り組むことになります。HACCPの導入に向けた研修の開催や、対応できる施設等に整備するための支援として、農林水産省や厚生労働省を中心に行われています。

食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業(画期的補助金HACCPハード事業)

農林水産物・食品の輸出拡大を図るため、輸出向けの認定・認証の取得による対応などのために施設や機器の整備への支援を受けられます。

申請方法

各都道府県に事前に相談し「事業実施計画(案)」を各都道府県窓口に提出します。
募集開始:令和3年5月24日(第3回目)
募集締切:各都道府県により設定あり
担当窓口:各都道府県により窓口・問い合わせ方法は異なります。
※今回の要望調査は令和2年度補正予算のみです。

HACCP導入セミナー

令和2年度は、農林水産省補助事業(輸出施設認定加速化等支援事業)として、一般社団法人食品衛生協会が受託し、無料セミナーが開催されています。近年定期的に行われていましたが、令和3年度は開催の予定が発表されていません(令和3年5月30日現在は準備中)。
自学用の資料として、農水省がHACCP学習教材のポータルページを作成しており、参考にされてください。

HACCP支援法

HACCP支援法(食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法)は平成10年に制定されました。
この法律は、食品の安全性の向上と品質管理の徹底等への社会的な要請に応えて、食品製造業界全体にHACCPの導入を促進することを目的に制定されました。制定以降、大手企業の導入率は伸びていますが、中小事業者では伸び悩んでいる状況が続いています。
これを受け、中小事業者の食品の安全向上の取組を推進するためにHACCP支援法の改正が平成25年に行われました。

平成25年に行われたHACCP支援法の改正

そもそもHACCPとは?

Hazard Analysis and Critical Control Point の頭文字を取り「ハセップ」または「ハサップ」と読みます。日本語では、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」から、危害分析重要管理点と訳されます。

HA(Hazard Analysis)=危害要因の分析 微生物・異物など
CCP(Critical Control Point)=重要管理点 殺菌工程における温度・時間など

化学的根拠に基づくシステムの導入により、問題がある製品の出荷を未然に防ぎ、最終製品における食品安全の確保を図ることを可能としています。
例)加熱⇒冷却の間においての温度管理
  包装段階での異物検出
これらを継続的に監視し記録することをシステム化します。

改正HACCP支援法に基づく支援のイメージ

HACCPに沿った衛生管理とは?

令和3年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者はHACCPに沿った衛生管理に取り組むことになります。全ての食品等事業者(食品の製造、加工、調理、販売等)が衛生管理計画を作成し、対象事業者により以下の2つに区分されます。

【HACCPに基づく衛生管理】 食品衛生法上の危害の発生を防止するなめに特に重要な工程を管理するための取組

◇大規模事業者
◇と畜場
◇食鳥処理場
これからの事業者は、HACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが、使用する原材料や製造方法等に応じ、計画を作成し管理を行わなければなりません。

【HACCPの考え方を取り入れた衛生管理】 取り扱う食品の特性に応じた取組

◇小規模な営業者等
各業界団体が作成する手引書を参考に、簡略化されたアプローチによる衛生管理を行います。

自分の事業所がどちらに該当するかを確認した上で、対象となる方法により衛生管理を行う必要があります。
なお、農業及び水産業における食品の採取業は制度化の対象外です。また、公衆衛生に与える影響が少ない以下の業種についても食品等事業者としての一般的な衛生管理は実施しなければなりませんが、今回の制度化の対象とはなりません。

  ①食品又は添加物の輸入業
  ②食品又は添加物の貯蔵又は運搬のみをする営業(冷凍・冷蔵倉庫業は除く)
  ③常温で長期保存しても腐敗、変敗その他品質の劣化による食品衛生上の危害の発生の恐れがない包装食品の販売業
  ④器具容器包装の輸入又は販売業

◆学校や病院等の集団給食施設も実施の対象となりますが、1回の提供食数が20食程度未満であれば不要となります。

分からないことは地域の保健所に聞くなどして、進めていくと良いでしょう。

出典:農林水産省、公益社団法人日本食品衛生協会

回答者

中小企業診断士 三海 泰良