ビジネスQ&A

IT導入補助金の対象となる「ITツール」について教えてください。

2024年 3月 15日

従業員20人ほどの会社を経営しております。IT導入補助金の対象となる「ITツール」とはどのようなものか教えてください。

回答

IT導入補助金の対象となる「ITツール」とは、IT導入補助金の事務局に事前登録された、中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上に資するソフトウェア・オプション・役務・ハードウェアを指します。対象ITツールは5つの大分類に分かれ、それぞれ細かいカテゴリーに分類されます。これらのITツールを選定する際は、経営課題から順に落とし込み、導入目的を明確にして必要な機能に絞り込んでいくことが重要です。

IT導入補助金の対象となるITツールの分類

IT導入補助金の対象となるITツールは、「大分類Ⅰソフトウェア」、「大分類Ⅱオプション」、「大分類Ⅲ役務」、「大分類Ⅳハードウェア」、「大分類Ⅴサイバーセキュリティお助け隊サービス」の5つに分類され、各大分類はさらに下記のようにカテゴリー分けされています。

【大分類Ⅰ ソフトウェア】

カテゴリー1 ソフトウェア

【大分類Ⅱ オプション】

カテゴリー2 機能拡張
カテゴリー3 データ連携ツール
カテゴリー4 セキュリティ

【大分類Ⅲ 役務】

カテゴリー5 導入コンサルティング
カテゴリー6 導入設定・マニュアル作成・導入研修
カテゴリー7 保守サポート

【大分類Ⅳ ハードウェア】

カテゴリー8 PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機
カテゴリー9 POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機

【大分類Ⅴ サイバーセキュリティお助け隊サービス】

カテゴリー10 サイバーセキュリティお助け隊サービス

申請したい類型によって、利用できる大分類とカテゴリーは異なります。通常枠(A・B類型)は大分類Ⅰ~Ⅲ、デジタル化基盤導入類型は大分類Ⅰ~Ⅳ、セキュリティ対策推進枠は大分類Ⅴが対象となります。

例えば、申請したい類型が通常枠(A・B類型)であった場合、大分類Ⅰ~Ⅲのカテゴリーである「カテゴリー1 ソフトウェア」、「カテゴリー2 機能拡張」、「カテゴリー3 データ連携ツール」、「カテゴリー4 セキュリティ」、「カテゴリー5 導入コンサルティング」、「カテゴリー6 導入設定・マニュアル作成・導入研修」、「カテゴリー7 保守サポート」が補助対象となります。使いたいITツールが対象のカテゴリーに該当するかは申請時に確認しましょう。

ITツールの分類

ITツールのカテゴリーについて

本節では、IT導入補助金の対象となるITツールの各カテゴリーについてどのようなものが該当するのかを説明します。

【カテゴリー1 ソフトウェア】

保有する機能が、IT導入補助金登録要領に定義するプロセス(業務プロセスまたは汎用プロセス)の中からいずれか1つ以上に該当するソフトウェアです。業務プロセスとはソフトウェアが保有する機能を導入することによって、特定の業務の労働生産性が向上するまたは効率化される工程のことを指します。汎用プロセスとは業種・業務に限定されず、業務プロセスと一緒に導入することで更に労働生産性を向上させる専用ソフトウェアを指します。

汎用プロセスソフトウェアの例としては、社内外の会議を遠隔で行えるようにするweb会議ツールや、紙の文書のデータ化に役立つOCRツールなどが挙げられます。その他、文書作成、表計算、プレゼンテーションといったオフィスツールや、社内 SNS、社内チャットなどのコミュニケーションツールが該当します。これらをまとめたものが下の表になります。

業務プロセスと汎用プロセス
【カテゴリー2 機能拡張】

大分類Ⅰソフトウェアの機能を拡張するものです。

【カテゴリー3 データ連携ツール】

ソフトウェアのデータソースからデータを受け取り、ソフトウェアやシステム間でデータを相互に共有・活用ができるように連携・同期を行うものを指します。

【カテゴリー4 セキュリティ】

導入する大分類Ⅰカテゴリー1ソフトウェアを安全に使用するために講ずるセキュリティ対策費用を指します。

【カテゴリー5 導入コンサルティング】

IT導入補助金交付決定後に発生するITツールの導入に向けた詳細設計などのコンサルティング費用を指します。

【カテゴリー6 導入設定・マニュアル作成・導入研修】

大分類Ⅰソフトウェア、大分類Ⅱオプション、大分類ⅣハードウェアのITツールのインストール作業や動作確認の費用、マスタ設定等の導入設定費用、操作指導等の教育費用やマニュアル作成費用等を指します。

【カテゴリー7 保守サポート】

大分類Ⅰソフトウェア、大分類Ⅱオプションの保守費用全般を指します。

【カテゴリー8 PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機】

大分類Ⅰカテゴリー1ソフトウェア(“会計・受発注・決済・EC”のいずれかの機能を含む)と併せて導入する場合に限り、PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機の購入費用及びこれらにかかる運搬費、または、導入する大分類Ⅰカテゴリー1ソフトウェアを継続的に利用するにあたって必要最低限の機器一式を指します。

【カテゴリー9 POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機】

大分類Ⅰカテゴリー1ソフトウェア(“会計・受発注・決済・EC”のうち“決済”に該当)で登録されたPOSレジシステムをインストールし利用するためのPOS専用機、PC・タブレット(いわゆるモバイルPOS レジとして利用する為の汎用PC機器)、券売機の費用、または、POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機の付属品にかかわる費用を指します。

【カテゴリー10 サイバーセキュリティお助け隊サービス】

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表するサイバーセキュリティお助け隊サービスリスト(https://www.ipa.go.jp/security/otasuketai-pr/#service_area)に掲載されているサービスを指します。

ITツール選定の進め方

IT導入補助金では様々なITツールが対象となっています。ITツールの選定をどのように進めていったら良いか不安に思われる方も多いのではないでしょうか。本節ではITツール選定の進め方について解説します。

1.自社の経営課題を把握した上でITツールの導入を検討する

補助が出るからという理由で安易にITツールを導入してしまっては、かえって経営課題の解決が難しくなることもあります。自社の行きたい方向は何か、現在どのような経営課題を抱えていているか、自社のIT化はどこまで進んでいるか、これらを考慮し何から取り組むべきなのかを決めていきましょう。

中小企業庁では、「みらデジ経営チェック(https://www.miradigi.go.jp/check/)」という、経営課題解決に向けた”気づき”を見つけるためのチェック&サポートツールを提供しています。経営課題の把握と今後の方針を決めるのに役立ちます。IT導入補助金の申請要件にもなっていますので、申請前には必ず実施しましょう。

2.業務の現状を確認し、導入目的を明確にする

ITツール導入時は、業務の現状を把握し、現場のニーズや課題を明確化する必要があります。ITツールの種類や機能は多様で、導入目的が不明確だと必要な機能が見えず、最適なITツールの選定が難しくなります。

例えばペーパーレス化や社外ストレージの設置、電子決裁ツール導入などの具体的なニーズと必要な機能を明確にしましょう。これにより、ITツールを選択する基準を設けることができ、必要なITツールを絞り込みやすくなります。

3.ITツールは複数社、比較検討する

ITツールは提供者により機能が異なるため、最低でも3つ以上比較検討しましょう。多機能なITツールは魅力的ですが、社内で使いこなせなければ意味がありません。機能が増えれば増えるほど導入や保守にかかる費用が高くなり、負担も大きくなります。

ITツール検討の際は、自社のITスキルレベルに合っているか、無駄な機能が入っていないかをチェックしましょう。サポート体制やセキュリティ対策も重要で、24時間365日の対応や無償サポート範囲があるかどうか。導入実績等も参考にしつつ選定していきましょう。

※本記事はIT導入補助金2023をもとに作成しています。事業年度が異なる場合は内容が異なりますので、必ず最新年度の情報を確認するようにしてください。

回答者

中小企業診断士 大橋 孝洋

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