ビジネスQ&A

債務超過でも活用可能な中小企業支援策はありますか?

当社は大手メーカーの下請企業です。ここ数年、受注が減り続け、3期連続して経常赤字となり、前期に債務超過となってしまいました。銀行から貸し渋りを受けるようになり、資金繰りも苦しい状況です。そこで、自社の技術を活用した新商品開発に活路を求めるなどの対策を行おうと思っています。開発費用や設備の更新に必要な資金調達や経営改善の相談先に悩んでいます。債務超過でも活用可能な支援策があったら教えてください。

回答

資金面であれば、地方公共団体が行っている制度融資、政府系中小企業金融機関の再生融資制度、新事業活動促進法の経営革新支援の活用を考えてください。また、経営改善の相談先として、商工会議所にある経営安定特別相談室や中小企業再生支援協議会、中小企業支援センターへ相談されるとよいでしょう。

債務超過となると、銀行からの融資が難しい状況となります。なぜなら、銀行の立場からみると、債務超過企業に資金を融資すると、債権者区分が下がり、余分に貸倒引当金を計上しなくてはならず、銀行にとって余計に費用がかかるためです。しかし、債務超過だからといって、まったく希望がないわけではありません。下記に示す制度を有効活用し、債務超過を脱する努力をしていただければと思います。

【地方自治体の制度融資】

都道府県をはじめ、市町村まで幅広く融資制度が用意されています。この制度は、国の中小企業支援策に連動したものですが、独自に運用されているものです。

こうした地方自治体の制度融資には、有利に活用できるものが多くありますので、積極的に担当窓口に相談してみましょう。たとえば埼玉県では、債務超過であっても一過性の債務超過(詳しい内容は関連情報欄をご参照いただき、担当窓口へお問い合わせください)であると認められる場合には、設備資金と運転資金(一定のものをのぞく)を融資する、「スーパーサポート資金」という無担保融資制度(代表者保証はあり)があります。

【政府系中小企業金融機関による融資制度】

政府系中小企業金融機関による融資制度を活用することも考えましょう。政府系中小企業金融機関とは、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫のことを言います。これらの機関では、セーフティネット・再生融資(一時的な運転資金や災害復旧資金の貸付、経営再建資金の貸付など)を行っています。さらに、国が推進する新事業育成や新分野進出などの施策に合致する事業を行う中小企業者や金融機関の「貸し渋り」など一定の要件に該当する中小企業者などに対し、特別貸付制度があります。

政府系中小企業金融機関によって、それぞれの制度の融資条件などは異なりますので、実際に利用される場合には、各機関の窓口にお問い合わせください。

【新事業活動促進法の経営革新支援】

「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(以下、「新事業活動促進法」)の経営革新の支援措置である低利融資制度や補助金制度の活用も考えましょう。ただし、支援措置を受けるためには、前段階として新事業活動促進法に基づく経営革新計画の承認(原則として都道府県が窓口となります)を取得する必要があります。債務超過であっても、経営革新計画の承認申請をすることは可能です。

経営革新計画の承認を取るというと、面倒に思うかもしれませんが、実はこの経営革新計画を作成すること自体がポイントです。経営革新計画を作成するということは、債務超過を脱する道筋を考えることであり、計画作成の段階でさまざまな問題点が抽出され、解決すべき課題が明確になるメリットがあります。

【経営安定特別相談室への相談】

商工会議所では「経営安定特別相談室」を設けています。相談室では、中小企業の倒産を未然に防ぐため、事前に相談を受けて、経営的に見込みのあるものについては倒産回避の方途を講じ、見込みのない場合については、円滑な整理を図ることを主な目的とした経営安定特別相談事業を行っています。相談は無料で、企業の秘密は守られます。相談室では、商工調停士を中心に、弁理士、公認会計士、中小企業診断士などにより構成された専門のスタッフが相談を受けています。

【中小企業再生支援協議会への相談】

中小企業の再生について、各都道府県の中小企業再生支援協議会が相談、支援にあたっています。協議会には、中小企業診断士、公認会計士、弁護士などの専門家が常駐しており、助言や再生計画づくりなどを支援しています。再生の最大のポイントは、早期に手を打つことです。まだ大丈夫と思っているうちに、状況は悪化し、打つ手がほとんどなくなったときに相談をしても、手遅れということになります。病気も早期発見、早期治療が効果的なのと同じで、企業再生も早期の「治療」が大切です。協議会の支援を受けて再生計画を策定した企業は、平成25年6月末現在で5,011社に及んでいます。経営の先行きに不安を感じたら、すぐにでも協議会にご相談されるとよいでしょう。

回答者

中小企業政策研究会

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