起業マニュアル

事業の優位性の書き方

事業の優位性の書き方

事業の優位性とは、自社・事業の強みを踏まえた上で、競合他社と比較したときの優れた点を明らかにすることです。
事業計画書に記載する上では、先ず自社・事業の強みを整理、分析していきます。自社の取り巻く経営環境のうち、将来の変化を踏まえながら、直接的なコントロールが利く事象についてピックアップします。その後、事象のプラス面に着目し、競合他社と比較していきます。ここでは、自社・事業の強み・優位性についての記載ポイントについて確認していきます。

優位性の記載のポイント

1.自社・事業の強み

自社・事業の強みとは、具体的には「ヒト、モノ、カネ、ノウハウ」のなかで優れている点です。例えば、「経営者が幅広いネットワークを持っている」、「特殊なノウハウで商品・サービスを提供している」、「潤沢な自己資金を準備している」、「事業に係わる特許権を得ている」といったことです。すべてのことを列挙するのではなく、事業を展開する上で優先度の高いものを記載しています。

2.優位性

(1)優位性の考え方

競合他社や自社・事業の強みを整理、分析したら、市場の中で、起業して実施する事業のどこに優位性があるのかといったことを明らかにしていきます。事業計画書に記載するときは、ことばで記載するだけでなく、自社を含めた商品・サービスについての比較一覧表や十字線の図表などを用いるとわかりやすくなります。

(2)優位性の検討例

例えば、店舗を開店するときに商圏内における優位性を十字線の図表で表現する場合は、十字線の縦軸と横軸の項目を設定し、商圏を大きく4の象限に分類します。その上で、競合店、自店を十字線の中に位置づけていきます。どのような軸を設定するのか、「ターゲットとするお客さんの属性」、「品揃えの幅」、「価格帯」、「サービス提供速度」など様々な軸の設定が可能だと思います。 
下記は、自店と競合する飲食店を比較した図表の作成例になります。ここでは、縦軸に「原材料のこだわり」、横軸を「顧客との交流度」といった切り口で表現しています。各象限に1社ずつ記載していますが、商圏の状況によっては、1つの象限に複数の店舗を記載することになります。

優位性

ここで留意することは、設定した軸で市場を分類した場合、4つの象限に空白(該当する店舗が存在しない)がでないような軸を設定することがポイントです。商圏内に多数の競合企業が存在する場合、明確に優位性を表現するのであれば、自店の最も特徴的な点を軸の項目として用いれば、自ずと自店が軸の先端側に位置づけられることになり、競合店との比較がはっきりと表現されます。
また、競合状況の確認のために作成した表に自社欄を追加することで、優位性を表現するのもよいでしょう。
記載の方法に決まりがあるわけではありませんので、事業計画書の記入例を参考にしながら、わかりやすい記載を心掛けてください。