起業マニュアル

事業コンセプトの書き方

事業コンセプトの書き方

事業コンセプトは、起業のアイデアをビジネスの構想として具体的に整理したものです。「誰に」「何を」「どのように」といった視点でまとめることで、事業概要が端的に表現されます。
事業コンセプトは、アイデアをカタチにするときの骨格になる部分です。事業計画書に記載した場合も、第三者がこの部分を読めば、どのような事業なのかがイメージできて、興味をもってもらえることが大切です。

ターゲットの記載ポイント

(1)ターゲットとは

ターゲットは、事業コンセプトでいう「誰に」にあたる部分です。提供する商品・サービスを使ってくれるお客さんのことです。ターゲットの記載で、そのお客さんのプロフィールを明らかにしていきます。例えば、お客さんの性別や年代、住んできる場所、職業、趣味、価値観やライフスタイルの考え方、提供する商品・サービス群の利用頻度などについて検討します。
ターゲットを、より明確にするやり方として、想定するお客さんを究極の一人に絞り、ペルソナとして、プロフィールの詳細を作り上げていく方法もあります。

(2)ターゲット記載の留意点

事業計画にターゲットを記載する場合には、お客さんの数が算定できる書き方ができるとよいでしょう。例えば、「出店地から半径5km圏内に居住する幼児、小学校低学年の生徒」とか「年収800万円以上の家庭の母親と子供」といった具合に、お客さんになってもらえそうな人の分母の数がイメージできることが大切です。
もちろん数値計画をつくる上でも、実際にどのくらいの数のお客さんを確保できれば、目標が到達できるかといったことが明らかになります。そのため、数値計画との整合性にも留意しながら、記載するとよいでしょう。

商品・サービスの記載ポイント

商品・サービスについては、提供する商品・サービスが、具体的にどのようなものなのかを記載していきます。小売、サービス業であれば、取り扱う商品・サービスの構成や価格帯、飲食業であれば、メニュー構成や価格帯といった内容です。商品・サービスは品目をバラバラに列挙するのではなく、例えば、カフェであれば、「ドリンク」、「フード」、「デザート」など、メニューをカテゴリー毎に分類して、記載するとよいでしょう。また、カテゴリーの構成比などがあると商品展開のイメージが伝わりやすくなります。
また、詳細の品目までが未確定の場合は、販売ウェイトの高いものや特徴的なものを記載しておくとよいでしょう。

提供方法・仕組みの記載ポイント

昨今では提供する商品・サービスは、競合相手と同質化しやすいことから、提供方法や仕組みについては、事業者がそれぞれ創意工夫を凝らしているところかと思います。
そのため、説明はなるべく簡潔に記載することが大切です。商品・サービスの提供方法や手順など、モノやお金の流れ、仕組みなどは、ことばだけでなく図表化するとよいでしょう。
また、商品・サービスの提供によるお客さんの気持ちの変化やメリットなどもフローチャートを加えると、さらにわかりやすくなります。
例えば、飲食サービス、食料品販売、クッキング教室サービスなどを展開する店舗で、「最初に飲食施設のレストランで料理を知ってもらい、興味が沸いて食材を購入して自宅で再現してもらい、さらに興味が深まり、より美味しく調理する方法を学ぶためにクッキング教室に通ってもらう」仕組みがあるとすると、下記のようなフローチャートで示すと一目瞭然となります。

提供方法・仕組みの記載ポイント