中小タスクが行く!

第11回:設備投資で生産性向上編

第11回:設備投資で生産性向上編 経営のお悩みスバッと解決 中小タスクが行く!

人手不足...生産性が上がらない...
「設備投資」で一気に解決!!!

第6回で登場したスーパー安井予。SNSで宣伝をするようになってから客足は増えたものの、今度は人手不足でレジが長蛇の列。混雑を嫌がって帰ってしまう客もいる。最近ずっとこの調子とため息をつく店主に声をかける中小タスク。豚小間が安いというSNSを見てスーパーにやってきたという。SNSで客が増えたのは良いのだが、人手が足らなくて困っているという店主に対し、それなら省力化投資に踏み切ってはいかがですかと中小タスクが提案。省力化投資とは労働力を節約して操業できるようにする設備投資、スーパーのセルフレジ化も省力化投資であり、人手不足の解消とともに労働生産性の向上も期待できると説明する中小タスク。

ますます悪化する人手不足

「少子高齢化が進行する我が国の生産年齢人口(15~64歳)は、1995年をピークに減少に転じました。

内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、2015年には7,952万人いた生産年齢人口は、2030年には6,773万人、2060年には4,418万人にまで減少すると見込まれています。2015年から比べると54.4%まで落ち込んでしまうのです。

【 高齢化の推移と将来設計 】

高齢化の推移と将来設計
出典:内閣府「平成30年版高齢社会白書」

さらに、2018年1月に財務省が公表した「財務局調査による『人手不足の現状及び対応策』について」によると、企業の人手不足感は正規社員・非正規社員を問わず強まっていて、「人手不足」と回答した割合は、1年前の67.0%から71.0%に上昇しています。

大企業に比べて経営資源が乏しい中小企業・小規模業者が人手を確保するのは、この先、ますます難しくなります。

人出不足解決の一つの解「省力化投資」

そこでお勧めなのが「省力化投資」です。省力化とは、ITや機械の導入などにより、手間や労力を省くようにすること。省力化のための適切な設備投資を行うことで、人手不足を補い、生産性向上につながります。

では、省力化投資により、実際にどれくらい生産性が向上するのでしょう?

「2018年版 中小企業白書」には、設備投資による生産性向上についてのアンケート調査結果がまとめられています。アンケートは、直近3年間の設備投資の有無別に、労働生産性が向上した企業の割合を見たものです。

【 設備投資実績と労働生産性の変化 】

設備投資実績と労働生産性の変化
資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」(2017年12月)
(注)ここでいう投資の積極的実施とは、原価償却費や過去の実績と比較して、比較的高額の投資をいう。
出典:中小企業庁「2018年版 中小企業白書」

「更新投資(維持・補修等)」「新規投資・増産投資」「省力化投資」のいずれの設備投資目的で見ても、積極的に投資を実施した企業は労働生産性を向上させていることがわかりますが、中でも「省力化投資」により生産性向上を実感している企業の割合が最も高くなっています。

つまり、深刻化する人手不足に対応するためには、省力化投資で労働力を補うのが効果的なのです!


省力化のための設備投資の例

製造業は生産性を支援するロボットなど
小売業はセルフレジなど
介護現場はパワーアシストなどの介護ロボット
中小タスクの説明を聞いて、セルフレジなんてとてもじゃないけど零細企業じゃ手を出せないよという店主。そんな店主に中小タスクは、人手不足は厳しくなる一方で人件費も上昇傾向。設備投資を考えるなら目的を明確にし、策定した投資案が得か損かが分かれば、金融機関にも説明しやすいですよと解説。それから数ヵ月後のスーパー安井予。セルフレジを導入し、レジ応援の負担が減ったので調理部を充実させてお惣菜を増やしたとのこと。中小タスクも既に惣菜をかごに入れていたが、「夢見るふんわりオムレット」というネーミングに恥ずかしがる中小タスク。でもSNSで人気なんだよと苦笑いの店主。

投資回収のシミュレーションをしよう

「省力化投資を行いたい!」と考えた場合、やはり気になるのが資金のことでしょう。

設備投資を行うとなると、ある程度まとまった初期費用が必要です。その金額は大きくなりがちで、中小企業経営者の多くが判断に悩むところでしょう。しかし、慎重になりすぎると、生産性向上のチャンスを逃してしまいます。

適切な設備投資かどうか判断するために、以下のシミュレーションを行ってみてください。

投資が損なのか、得なのか、明確にすることができるはずです。

設備投資の進め方

Step1 設備投資の目的を明確にする

設備投資によって何を実現したいのか、目的を明確にします。例えば、「生産能力増強」「製品原価削減」あるいはその両方などです。

Step2 複数の設備投資案を作る

目的を達成するための設備投資案を作ります。経済性に優れた設備投資を実現するため、設備Aあるいは設備Bを導入するといった複数の案を作ることがポイントとなります。

Step3 複数の設備投資案の経済性を評価し、意思決定する

Step2で作った設備投資案を、以下で説明する「経済性評価方法」によって評価します。その結果、最も経済性の高い案を採用します。

Step4 設備投資の資金を調達する

設備投資のための資金を調達します。金融機関からの融資を引き出すには、合理的な事業計画を提示することがポイントになります。その際は、Step3の経済性評価の結果を活用することができます。補助金も積極的に活用しましょう。

Step5 設備投資を実行する

設備投資を実行します。設備の導入に合わせて、従来の業務プロセスを見直し、改善することで、さらに効率化を進めることが可能になります。


設備投資の経済性評価方法

複数の設備投資案を作成したら、それぞれ以下の方法のどちらかで計算してみましょう。設備投資の経済性評価方法は複数ありますが、中小企業が利用しやすい2種類を紹介します。

会計的利益率法

投資利益率法とも呼ばれ、設備投資から期待される年々の平均利益を分子とし、運転資金の増加分を含めた総投資額を分母として投資利益率を計算する方法。収益性の観点から投資案を評価する方法で、投資利益率が高いほど優れた投資案ということになります。

会計的利益率は設備投資額プラス増加運転資金を分母とし、設備投資から期待される年々の平均利益を分子とする式で表せる。

回収期間法

投資からもたらされる毎期のキャッシュフロー(実際の現金の増減)により、投資額を回収するのにどのくらいの期間がかかるかという観点で評価する方法。投資回収期間が短いほど優れた投資案と判断できます。

回収期間は毎期のキャッシュフローを分母とし、設備投資額プラス増加運転資金を分子とする式で表せる。

複数の方法を併用して、総合的に判断するのがよいでしょう。

思い切りが肝心!

人手不足が深刻化した現在、思い切った「省力化投資」は生産性を上向かせるための有効打たりえるので、積極的に検討してみてください!

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