よくわかる食品表示の基本とポイント
よくわかる食品表示の基本とポイント2
2020年6月11日
1.一般加工食品の表示のポイント
表示方法は、一般消費者が理解しやすいような日本語で、容器包装を開かないでも容易に見ることができるように容器包装の見やすい箇所に、名称、原材料名、添加物、内容量等を「一括表示」を基本に表示します。
表示例:国内で製造した焼菓子の一括表示
※ 表示に用いる文字及び枠の色は背景の色と対照的な色で表示し、文字は8ポイントの活字以上の大きさで表示します。なお、表示可能面積がおおむね150cm2以下の場合は5.5ポイントの活字以上の大きさで表示することができます。
■加工食品共通表示事項(食品表示基準第3条第1項)
加工食品共通事項は、加工食品の表示に原則、必要な表示事項です。
【名称】(種類別)
その内容を表す一般的な名称を表示します。商品名ではありません。
【原材料名】
原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示します。
2種類以上の原材料からなる原材料(以下「複合原材料」という。)を使用する場合については、当該原材料を次の1.~3.に定めるところにより表示します。
1.複合原材料の名称の次に括弧を付して、当該複合原材料の原材料を当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示します(A)。
ただし、当該複合原材料の原材料が3種類以上ある場合にあっては、当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高い順が3位以下であって、かつ、当該割合が5%未満である原材料について、「その他」と表示することができます(B)。
2.複合原材料の製品の原材料に占める重量の割合が5%未満である場合又は複合原材料の名称からその原材料が明らかである場合には、当該複合原材料の原材料の表示を省略することができます(C)。
【添加物】
食品に添加物を使用した場合や使用した原材料に添加物が含まれている場合は、添加物に占める重量の割合の高いものから順に、原則、当該添加物の物質名を表示します。
なお、添加物の事項欄を設けずに、原材料名の欄に原材料名と明確に区分して表示することができます。
(原材料と明確に区分した表示例)
また、添加物の表示方法については、1.品名、簡略名又は類別名表示、2.用途名表示、3.一括名表示、4.表示免除の規定があります(表示例は省略します)。
【内容量又は固形量及び内容総量】
●内容量
内容重量はグラム又はキログラム、内容体積はミリリットル又はリットル、内容数量は個数等の単位で、単位を明記して表示します。
(表示例)「500g」「500ml」「15個」
●固形量及び内容総量
固形物に充てん液を加え缶又は瓶に密封したもの(固形量の管理が困難な場合を除く。)にあっては、固形量及び内容総量とすることとし、固形量はグラム又はキログラム、内容総量はグラム又はキログラムの単位で、単位を明記して表示します。
【消費期限または賞味期限】
食品の特性等を十分に考慮した上で、品質が急速に劣化しやすい食品にあっては「消費期限」である旨の文字を冠したその年月日を、それ以外の食品にあっては「賞味期限」である旨の文字を冠したその年月日を年月日の順で表示します。
(表示例)「消費期限 令和2年8月31日」「賞味期限 2.8.31」「賞味期限 2020.8.31」
また、製造又は加工の日から賞味期限までの期間が3ヶ月を超える場合にあっては、賞味期限である旨の文字を冠したその年月を年月の順で表示することもできます。
(表示例)「賞味期限 令和2年9月」「賞味期限 2.9」「賞味期限 2020.9」
【保存方法】
食品の特性に従って、具体的かつ平易な用語で、流通、家庭等において実行可能な保存の方法を表示します。
(表示例)「直射日光を避けて、常温で保存してください」「要冷蔵(10℃以下)」
ただし、食品衛生法第11条第1項の規定により保存方法の基準が定められたもの(冷凍食品、鶏の液卵等)にあっては、その基準に従って表示します。
【栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム)の量及び熱量】
栄養成分の量及び熱量の表示方法については、次回「よくわかる食品表示のポイント3」で説明します。
【食品関連事業者の氏名又は名称及び住所】
食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者(表示責任者)の氏名又は名称及び住所を表示します。
なお、食品関連事業者が、販売業者、加工業者又は輸入業者である場合にあっては、「製造者」を、それぞれ「販売者」、「加工者」又は「輸入者」と表示します。
【製造所等の所在地及び製造者等の氏名又は名称】
●製造所等の所在地
原則、都道府県名から住居表示に従って住居番号まで表示します。
●製造者等の氏名又は名称
氏名は個人の場合は個人名を、法人の場合は法人名を表示します。屋号のみの表示は認められません。
※食品関連事業者が販売者であり、製造者が異なる場合、製造者の所在地及び製造者の氏名又は名称を一括表示部分の枠外または枠内に表示する必要があります。
※製造所固有記号
上記「製造所等の所在地及び製造者等の氏名又は名称」の規定にかかわらず、原則として同一製品を2箇所以上の製造所で製造している場合にあっては、下記の(1)又は(2)の表示をもって製造所の所在地及び製造者の氏名又は名称の表示に代えることができます。
なお、製造所固有記号は、アラビア数字、ローマ字、平仮名若しくは片仮名又はこれらの組合せによるものに限られています。
(1)製造者の住所及び氏名又は名称並びに製造者が消費者庁長官に届け出た製造所固有記号
(2)販売者(乳、乳製品及び乳又は乳製品を主要原料とする食品を販売する者を除く。)の住所、氏名又は名称並びに製造者及び販売者が連名で消費者庁長官に届け出た製造者の製造所固有記号
以上、一般加工食品の主な表示ポイントについて説明しました。次回は「よくわかる食品表示の基本とポイント3」で栄養成分表示、アレルゲン表示、一括表示の作成手順を中心に説明します。
(コンサルティング・オフィス高橋 代表 高橋順一)