ビジネスQ&A

ランディングページの制作の提案を受けたのですが、どうすれば良いでしょうか。

2021年 3月31日

従業員5名の小売店を経営する企業です。コロナの影響を受けて、店舗販売のみでなくECサイトを作って通販を開始しました。ですが、サイトのアクセス数も低く売上も低調気味です。通販の売上を上げたいと考えたところ、ランディングページを制作することを提案されたのですが、どのように考えれば良いでしょうか。

回答

ホームページの種類はいくつかあり、期待される役割も異なっています。ランディングページの構造や特性を踏まえたデザインで制作し、ネット広告の配信などとセットで運用することで、ネット通販の売上拡大を狙う戦略を取ることは選択肢になると言えます。

1. ホームページの種類と用途

ホームページには、その役割や作り方の違いでいくつかの種類があります。それぞれの特徴を踏まえて、自社の商品やビジネスに適するサイトを優先的に構築し、ネットでの宣伝周知に繋げることが、売り上げを獲得するための第一歩となります。

種類

サイトに掲載する内容

効果

会社ホームページ/コーポレートサイト

企業情報や公式の情報発信などを開示する

名刺代わりにもなる、会社の顔として信頼感を獲得する

ランディングページ

特定の商品やサービスを宣伝し、興味を持たせて購買に繋げる

閲覧者の興味を惹くことで、新規顧客の開拓や既存顧客への再度のアプローチができる

通販サイト

商品情報、カートと決済機能があり、購入ができる

商圏の拡大や新たな販路の開拓(B to B からB to Cなど)が可能

ブログ/メディアサイト

日々の活動やニュース、ためになる情報などを随時更新・発信する

定期的な更新により閲覧者との接点を増やすとともに、検索順位の向上などを狙う

2. ランディングページについて解説

(1)ランディングページに求められる役割

ランディングページ(着地ページ)は、その名が示す通り外部から自社にリンクを辿ってきた際に最初に見せたいページ、という役割を持っています。具体的には、ネット広告やSNSなどの外部から当社へ誘導するために最初に見せる目的で制作されたページとなります。

一般的には、ランディングページの役割はネット広告などを使って集客し、閲覧してもらった方に商品を買ってもらう、サービスを利用してもらうことになります。従って、売り上げを獲得するために、来店されたお客様の入り口としてお迎えし、もてなして、購買に繋げることが役割になります。

(2)ランディングページの構造、作り方のポイント

ランディングページの役割で記述した通り、商品の購買・サービスの利用という明確なゴールがあり、成果に繋がるような構造となっていることが重要です。そのため、ランディングページの構造はひと言でいうとテレビショッピングのWEB版と考えるとイメージしやすいかと思います。

基本的なランディングページの構成要素は、マーケティングでも定番のAIDMA(アイドマ)で考えることができます。購買に繋がるように、閲覧者をもてなし、価値を感じてもらって、誘導するような構成になっています。

3. ランディングページを活用するためのポイント

ランディングページにはいくつかの特徴があることから、ただ制作するだけではなかなか効果が得られない、という仕組みになっています。活用する上でのポイントを抑えて、自社で運用が可能であるか、メリットが得られるかを事前に判断してから制作に着手しましょう。

【ポイント(1)】アクティブなSNSアカウントがあるか、ネット広告の配信予算を確保できる

ランディングページそのものは検索力を持たないケースが大半であり、ランディングページを作るだけではアクセス数は増えずにコストだけ掛かったということになりかねません。ランディングページを作るときは、集客(アクセス数の確保)の仕組みとセットで検討する必要があります。

具体的には、フォロワー数が多いSNSアカウントがあればそこで投稿して宣伝したり、SNS広告やリスティング広告を配信してランディングページを宣伝したりすることで、集客に繋げることが可能となります。

【ポイント(2)】利用者にとって直感的なメリットがある商品を販売している

ランディングページを閲覧してもらった対象に訴求しやすい商品があることが望ましいです。写真や動画で視覚的に訴求できる商品は、より適性があるといえます。商品を利用することでメリットが分かりやすく伝えられると、ランディングページから購買へと誘導が可能となるでしょう。例えば、利用前後でビフォーアフターを表現できる商品はランディングページで訴求しやすい代表例です。

【ポイント(3)】競合が少ない個性的な商品や、ストーリー性のある商品を販売しているか

ランディングページでは、テレビショッピングのようにお客様の興味を引き付けるストーリーが重要となります。競合が多い商品では差別化が困難で、あなたのサイトで買う理由を作りにくくなってしまいます。そういった商品は投資できる広告費がものをいうレッドオーシャンになりやすいため、大手と争える資本体力が要求されてしまいます。

一方で、商品にストーリー性があって共感を呼べる場合は、購買に繋げやすくなります。ストーリーが個性となって、お客様に印象付けることが可能となります。

4. ランディングページの活用事例

ランディングページを制作し、広告の配信などとセットで施策を行うことで、集客に繋げている事例を紹介します。当サイトを運営する中小機構においても、ランディングページで集客を行っています。

(1)経営相談チャットサービス「E-SODAN」

ランディングページの活用事例(1)「経営相談チャットサービス E-SODAN」
ランディングページの活用事例(1)「経営相談チャットサービス E-SODAN」

紹介したページは、ランディングページとして右下に表示されるチャット機能の利用を促すことを目的に制作しています。こちらのランディングページはFacebookページの投稿による宣伝や、ネット広告の配信におけるリンク先として活用されています。

E-SODANには経営に関するQ&Aが搭載されており、入力された質問に適合するQ&Aを紹介することができます。また、チャットボットの対応のみでなく、有人チャットに繋げる機能もあります。ぜひ利用してみてください。

(2)中小機構に聞こう!(乱世モード)

ランディングページの活用事例(2)「中小機構に聞こう!(乱世モード)」
ランディングページの活用事例(2)「中小機構に聞こう!(乱世モード)」

こちらのサイトは、下層ページを持ったり「乱世モード」の切り替え機能があったり等、一般的なランディングページと異なる作りをしている部分もあります。ですが、トップページのコンテンツ構成はランディングページの標準的な構成に則って作られていますので、参考になると思います。

また、名称タイプ診断の実施を一つのコンバージョン(成果)と考えられる部分も、ランディングページと同様です。

5. まとめ

通販サイトの運営においては、ランディングページから通販サイトへ誘導することで集客につながる可能性があります。ランディングページでは商品の価値や利用することのメリットを画像や動画を用いて魅力的に表現できれば、通販サイトへの集客が実現できるでしょう。

一方で、制作費用のみでなく広告配信などのランニングコストも鑑みて費用対効果を測る必要があります。一商品あたりの単価や粗利益が小さい商品や、繰り返しの購入が期待しにくい商品ではコスト負担が大きくなる可能性がありますが、一度購買いただければリピーター利用を見込める商品であれば、新規顧客の獲得のためにランディングページ+広告配信を行うメリットは大きいでしょう。

いずれにしましても、商品特性と費用対効果を見極めて広告宣伝費を投資することが重要です。

参考資料:

回答者

中小企業診断士/E-SODAN「専門家とのチャット」 毎週火曜日:ITに関する相談担当
高仲 秀寿

同じテーマの記事