販路開拓・商品開発

地域ブランド保護に関する支援(地域団体商標支援)

2020年1月内容改訂

三重県松阪市の「松阪牛」、大分県大分市佐賀関地区の「関サバ」、愛媛県今治市の「今治タオル」——これらの名称を聞いたことがある人は多いと思います。これらには、地名と特産物名が合わさった名称が付けられ、地域団体商標として特許庁で登録されています。
「わが地域の特産品は、味は良いのに知名度がない」といった地域の課題を解決したい場合、地域団体商標を取得する方法があります。

地域団体商標制度について

地域団体商標制度は、地域の産品等を地域ブランドとして保護することで、事業者の信用度を維持し、地域経済の活性化や産業の発展を図ることを目的としています。
地域団体商標制度には、次のような特徴があります。

<地域団体商標を取得して得られるメリット>

  • 商標権で保護されているため、他者から商標権を侵害された場合に攻撃・防衛できる
  • ライセンス契約による収入が得られる
  • 大企業から信用が得られ、取引において競合他社との差別化が図れる
  • 国が認めた商標を持っていることで、商品・サービスの訴求力が上がる
  • 知名度とブランド力の向上によって商品単価が上がり、売上アップが図れる
  • 地域団体の一体感が高まり、組織力が向上する

<地域団体商標として登録できる要件>

  • 地域団体の構成員に使用させる商標であること
  • 地域名+商品・サービス名の組み合わせからなる文字であること
  • 地域名と商品・サービスの産地・提供地とが密接に関連していること
  • 商標が一定の地理的範囲で周知されていること

<地域団体商標を登録できる対象者>

  • 特別の法律により設立された法人格を持つ組合(事業協同組合、農業協同組合等)
  • 商工会
  • 商工会議所
  • NPO法人
  • これらに相当する外国の法人

<地域団体商標の性質>

  • 地域団体の構成員は、地域団体からの許諾がなくても、登録商標の使用権がある
  • 地域団体商標の商標権は、譲渡できない
  • 地域団体商標の商標権は、専用使用権を設定できない
  • 国内において、地域団体商標の出願前から商標を使用している者は、先に準備している者として保護される
  • 地域団体商標の要件を満たしていないのに登録された場合、登録の異議を申し立て、無効を訴えることができる

地域団体商標を取得するまでの流れ

地域団体商標の取得には、特許庁への出願から審査、査定、登録料の納付、権利の発生、更新という流れがあります。審査の段階で登録要件を満たさない場合は、出願者に拒絶理由通知が送付され、それに応答する必要があります。

地域団体商標取得を取得するまでの流れ

地域団体商標の出願支援

地域団体商標について、出願を予定している者が受けられる支援策は7つあります。

その1 地域団体商標権を出願したい方
INPIT 知財総合支援窓口では、経験豊富な企業OB等の窓口支援担当者が相談内容に応じて無料でアドバイスします。専門家からのアドバイスも無料です。訪問による支援も可能です。

その2 地域団体商標について知りたい方
地域ブランド推進室の講師を派遣し、地域団体商標制度やGI制度との違いについて説明します。全国に対応し、訪問は無料です。

その3 商品を海外に展開したい方
ブランディングの専門家が、ブランド戦略の策定、マーケティング調査、海外における商標権等の知的財産権の取得、模倣品対策等の権利活用まで、一貫したサポートを行います。(補助率:定額又は一部自己負担 1団体への支援上限額:300万円 支援の対象:地域団体商標権を保有する事業団体)

その4 海外進出に際してリスク管理をしたい方
海外展開知財支援窓口では、企業における豊富な知識経験と海外駐在経験を有する海外知的財産プロデューサーを派遣します。海外進出・展開に応じた、商標をはじめとする知財面のリスク、権利化のアドバイス、活用方法等についてプロデュースします。全国に対応し、訪問は無料です。

その5 海外でも商標権を取得したい方
出願手数料のほか、代理人費用、翻訳費等、外国出願に係る費用の半額を補助します。マドリッド協定議定書による出願も対象です。(上限額:300万円(複数案件可能)、1企業に対する上限額:商標60万円、案件ごとの上限額:冒認対策商標30万円)

その6 海外企業に自社の商標を先取出願された方
冒認商標を取り消すための費用の3分の2を補助します。(異議申し立て、無効審判請求、取消審判請求費用等)(上限額:300万円)

その7 海外で模倣品が出回って困っている方
模倣品対策に係る費用の3分の2を補助します。(上限額:300万円 複数案件可能)
通常に調査するよりも割安で、申請にあたってはJETROの全面支援を受けられます。また、年度を越えれば何度でも利用可能です。

地域団体商標の活用支援

特許庁のウェブサイトでは、地域団体商標の登録案件や活用事例を紹介しています。
地域団体商標の活用事例は、動画、冊子、マンガでみることができます。

毎年発行されるガイドブックには、地域団体商標制度の概要、Q&A、活用事例、特許庁の支援策、登録されている地域団体商標の全案件が掲載されています。
ガイドブックは、下記のサイトからPDFファイルをダウンロードすることができます。

紙媒体の冊子を希望される場合は、次の窓口にご連絡ください。

〇特許庁 審査業務部商標課 地域ブランド推進室(電話:03-3581-1101 内線2828)

「地域団体商標ガイドブック」を読めば、地域団体商標のことは丸わかりです。中小企業等の皆様、まずはガイドブックを読んで、地域団体商標取得の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  1. 地域団体商標制度は、地域の産品等について地域ブランドの保護、事業者の信用度の維持により、地域経済の活性化や産業の発展を図ることを目的としている
  2. 地域団体商標を登録するには、登録できる対象者が「地域名+商品・サービス名の組み合わせからなる文字であること」等の登録要件を満たし、審査で認められる必要がある
  3. 地域団体商標を出願・活用する際には、専門家によるアドバイスや事例集の紹介等の支援を受けられる