業種別開業ガイド

医療用具販売(賃貸)業開業

  • 医療機器の販売(賃貸)業を行なうにあたっての手続きは、取り扱う機器の分類によって異なる。したがって、申請を行なう際には事前に製造業者などに分類の確認をしておく必要がある。
  • 許可基準や遵守事項なども複雑なので、開業時には各都道府県の担当窓口に十分に確認するようにしよう。

1.起業にあたって必要な手続き

1)高度管理医療機器・特定保守管理医療機器の販売(賃貸)

高度管理医療機器とは

適正な使用目的に従って適正に使用したにもかかわらず、副作用または機能障害が生じた場合に、生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあるものが該当する。
<具体例>
コンタクトレンズ、歯科用インプラント材、ペースメーカ-、輸液ポンプ など

特定保守管理医療機器とは

保守点検や修理などの管理に専門的な知識および技能を必要とし、その適正な管理が行なわれなければ、疾病の診断・治療などに重大な影響を与えるおそれがあるものが該当する。
<具体例>
X線撮影装置、超音波画像診断装置、眼底カメラ、MR装置、CT装置、心電計 など

許可及び届出

営業所の所在地の知事の許可が必要となる。
複数の営業所がある場合には、営業所ごとに申請書類の提出が必要となる。
<許可基準>
1)構造設備--次の基準(厚生労働省令)に適合すること
    ・採光、照明および換気が適切であり、かつ、清潔であること
    ・常時居住する場所および不潔な場所から明確に区別されていること
    ・取扱品目を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること

1)管理者--次の基準(厚生労働省令)に該当する管理者を置くこと
    ・医療機器の販売・賃貸に関する業務に3年以上従事した後、厚生労働省令で定める基礎講習を修了した者
    ・厚生労働大臣が前項に掲げる者と同等以上の知識および経験を有すると認めた者

2)管理医療機器の販売(賃貸)

管理医療機器とは

適正な使用目的に従って適正に使用したにもかかわらず、副作用または機能障害が生じた場合に、生命および健康に影響を与えるおそれがあるものが該当する。
<具体例>
家庭用電気治療器、家庭用マッサージ器、家庭用低周波治療器、自動電子血圧計 など

許可及び届出

営業所の所在地の知事への届出が必要となる。
複数の営業所がある場合には、営業所ごとに届出が必要となる。
なお、届出を行なう際には、高度管理医療機器および特定保守管理医療機器の販売(賃貸)業と同様の構造設備と管理者の設置が求められる。

3)一般医療機器の販売(賃貸)

一般医療機器とは

適正な使用目的に従って適正に使用したにもかかわらず、副作用または機能障害が生じた場合に、人の生命および健康に影響を与えるおそれがほとんどないものが該当する。
<具体例>
メス、ピンセット、眼鏡、歯科用ワックス、X線フィルム、染色体分析装置 など

許可及び届出

許可及び届出は不要。

2. 起業にあたっての留意点・準備

1)遵守事項

医療機器販売・賃貸業における遵守事項を説明した表

2)広告表現の禁止事項

  • 医療機器の名称、製造方法、効能、効果または性能に関して、明示的・暗示的であるを問わず、虚偽または誇大な記事を広告、記述、または流布してはならない。
  • 医療機器の効能、効果または性能について、医師、そのほかの者がこれを保証したと誤解される恐れがある記事を広告、記述、または流布してはならない。
  • 医療機器に関して堕胎を暗示し、またはわいせつにあたる文書、図面を用いてはならない。

3)取り扱いが禁止されている医療機器

  • 承認内容と異なる医療機器
  • 基準に適合しない医療機器
  • 不潔な物質、または変質もしくは変敗した物質からなっている医療機器
  • 異物が混入、付着している医療機器
  • 病原微生物により汚染されている医療機器
  • その使用によって保健衛生上の危険を生ずる恐れがある医療機器

また、不良製品や品質の保証されない医療機器、保健衛生上の危害の可能性があるもの、容器などや添付文書などの記載事項に定められた表示を満たしていない医療機器についても、販売(賃貸)してはならない。

最終内容確認日2014年2月

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