地方自治体の委託を受けて回収した古紙は、自治体からの補助が出る(1キログラムあたり約2円~5円程度)。
1人で営業する場合で、1日あたり3~4トンの取引が必要である。チェーン加盟の場合の損益モデルについては、各フランチャイズ本部から説明会などで説明されるため、ここでは独自ブランドでの新規開業をモデルとして取り上げる。
(1)開業資金
【2トンの中古トラック1台を購入、仕切り場を賃借し、開業する際の必要資金例】
(2)損益モデル
a.売上計画
売上:20,000円/日
営業日:年間 300日
b.損益イメージ
上記、売上計画に記載の売上高に対する売上総利益および営業利益の割合(標準財務比率(※))を元に、損益のイメージ例を示す。
※標準財務比率は他に分類されない廃棄物処理業に分類される企業の財務データの平均値を掲載。
※出典は、東京商工リサーチ「TSR中小企業経営指標」
c.収益化の視点
収益化の視点としては、まずは回収先をどれだけ確保できるかという点が重要になる。家庭から出る古紙は地方自治体からの委託や、町内会、学校などが集めたものを回収する方法が多いが、どちらも組合を通じて委託される場合が多い。印刷会社をはじめとした一般企業からの回収の場合は量的にはまとまるが、移動式クレーンやパッカー車(プレス機能を備えた回収車)などの初期投資が必要となる。いずれも既存企業が地盤を構築していることが多く、取引先の開拓は容易ではない。
まずは古紙回収業に就職をし、その後に独立するような流れで進めるなど、ある程度回収先を確保できる見通しをつけてから開業する必要がある。古紙だけでは経営が難しい場合は、他のリサイクル用品(鉄、非鉄、びん、古繊維)の回収を兼業することも検討する必要が出てくるだろう。
一方、経費の面からみると、まず、開業資金は比較的安価に抑えられる事業だ。小規模であれば2トンのトラック1台と10~15平米程度の仕分け場があれば可能であり、賃借せずに自宅の空き部屋か倉庫なども活用できる。運転資金としては人件費などが必要となるが、個人で始める場合には大きな額にはならないと思われる。
このように初期投資負担が軽く、キャッシュサイクルは比較的早いことから、資金運営は比較的容易である。ただし、取引先が地方公共団体など行政機関からの委託となると委託費支払いが年度末になるケースが多ため、注意が必要である。
※開業資金、売上計画、損益イメージの数値は、出店状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討する際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)