業務改革で多能工化を進め、有休取得率90%に:株式会社エーピーシィ
人材確保/採用 人材定着 人材育成企業独自参照元記事:2024年9月12日
・【悩み】現場人員がほぼ非正規従業員。作業が属人化し、休みが取りにくいため人材が定着しない
・【対応】企業バリューに「ダイバーシティ」「多能工化」「休みやすい職場環境」を掲げる業務改革、女性が働きやすい職場環境の整備
・【成果】従業員の約8割が女性。従業員の半数以上が多能工化に対応し、有給休暇の取得率は約90%に
会社概要
・1978年設立。自動車部品メーカーが製造したモール基材を車両に組み付くように加工する二次加工に特化した事業を創業当時から続ける。
悩み
・改革前は、現場人員のほぼ100%がパート・アルバイト・派遣社員といった非正規従業員。
・非正規主体の作業現場は仕事が属人化しており、残業が多く、休みがとれない状態だった。人員は長続きせず、入っては辞め、入っては辞めを繰り返していた。
対応
・後継ぎ候補の安藤氏が2017年、業務改革を行う。
・現場の人員構成を非正規から正規主体に切り替えるため、非正規採用でやる気のある従業員の正社員化を進めた。
・新規の人材獲得は、周辺に大手の工場が数多く立地しているため、競争が激しく苦戦。差別化を図るため、経営理念を一新する。企業のバリュー(価値観)に「ダイバーシティ」「多能工化」「休みやすい職場環境」を掲げ、女性を採用ターゲットに設定した。
・バリュー実現のため、記入した申請書をポストに入れるだけで有休を申請・取得できる「有休ポスト」制度を導入。
・休みやすい環境作りに必要不可欠な「従業員の多能工化」に取り組んだ。多能工に対応できる従業員の人事評価を高くする仕組みを取り入れ、新規採用時にも「多能工化」に対応できる人材の獲得を進めた。
・属人化を防ぐため、保管場所の整理や作業マニュアルの作成を行う。ベテラン社員からの業務・ノウハウ引き継ぎでは、リスク対策や引き継ぐ側の心理的・身体的なプレッシャーを下げるため、2人に引き継ぐ形をとった。
成果
・従業員数は改革前の約40人から約60人になり、うち女性が占める割合は8割にのぼる。
・全体の半数以上の従業員が多能工化に対応できるようになったため、欠員が出ても作業に穴が開かない体制が整う。休みも取りやすくなり、従業員の有休取得率は約90%となった。
・安藤氏が社長に就任した2019年には、女性の活躍を推進している企業を認証する「あいち女性輝きカンパニー」の優良企業に選定される。当時、選ばれた企業の中で、唯一の中小企業。
ストーリー
株式会社エーピーシィが改革を行ったきっかけや社長の想いなどもご覧いただけます。
企業データ
- 企業名
- 株式会社エーピーシィ
- 設立
- 1978年10月
- 資本金
- 1000万円
- 従業員数
- 65人
- 代表者
- 安藤寛高 氏
- 所在地
- 愛知県安城市赤松町新屋敷264
- 事業内容
- 自動車用プラスチック製外装部品の製造