人材育成と工程改善で生産能力1.8倍に:芝原工業株式会社
人材育成 省力化 業務効率化支援:中小機構 参照元記事:2024年3月
・【悩み】「溶接組立」は熟練技能者のスキルに頼る工程で、増産のボトルネック。ノウハウが求められるので新たな作業員の増員は困難。
・【対応】人材育成と生産工程改善よる生産力向上に取り組む
・【成果】生産能力が1.8倍に
会社概要
・1964年5月創業、静岡県磐田市に拠点を置き経済産業省が選定する地域未来牽引企業。半導体製造装置や工作機械部品、配電盤といった溶接・板金製品の製作を手掛ける。幅広い産業分野で多品種・小ロットでの生産が可能。
悩み
・ベテラン溶接工の職人技が強みである一方、属人的で生産技術を管理できていない点が課題となっていた。
・取引先が半導体製造装置フレームの生産倍増を計画していることが明らかになるが、熟練技能者のスキルに頼る「溶接組立」工程が障害となり、増産は困難であった。社内には熟練工育成のシステムもなく、全体の工程を管理する機能も不足していた。
対応
・短期間での増産体制を構築するため、生産計画でボトルネック(障害)になる溶接組立工程の出来高向上を図るべく人材育成と工程改善を目的として、中小機構のハンズオン支援を受ける。
・手溶接作業者からなるプロジェクチームは、現場改善に詳しい専門家とともに、属人的になっていた職人の作業を「価値・付随・ムダ」に分け、溶接以外は「付随」の作業として「運搬・補助作業者」に集約。高度なスキルである職人の溶接作業の集中化を図り、生産力向上に取り組んだ。
・その他、作業・工程上のロスやムダを見える化し、生産工程全体の改善につなげた。
・その結果、溶接組立工程の生産能力は27%増を達成。疑心暗鬼で開始したプロジェクトだったが、改善効果に驚き、自発的な改善活動が胎動。
・第二期では、若手リーダーを加えた部門横断チームを組成し、前後工程や物流動線の見直しなど点から線、線から面の改善にチャレンジした。
成果
・プロジェクトを通じて、増産対応できる基盤が確立。生産能力は、1期目の活動で27%増、2期目で40%増となり、総台数の伸長率は1期活動前の1.8倍となった。
・また、専門家がメンバーの特性に応じて助言を行ったことで、メンバーは各担当領域で成果を示し、大きな自信をつけた。若手のリーダーとしての自覚も生まれ、将来の活躍が期待されている。今後は、他の事業でも増産可能なシナリオを活用し、横展開を進める予定。
ストーリー
芝原工業株式会社がプロジェクトをはじめたきっかけや若手社員の成長ストーリー、関係者の振り返りなどもご覧いただけます。
企業データ
- 企業名
- 芝原工業株式会社
- 設立
- 1964年5月(創業1964年5月)
- 資本金
- 10百万円
- 従業員数
- 115名
- 代表者
- 芝原 利幸
- 所在地
- 静岡県磐田市匂坂中1600-30