一旦、社員として雇用して給与を支払うことになれば、そのコスト負担はいずれの企業にとりましても重荷となりますし、その負担に倍加するリターンを社員の働きに求めなければ、企業活動は成立しません。
従業員の方が「働きがい生きがい」を感じ、活き活きと職場で働いてもらうようにするには、どうしたらよいでしょうか。
実は古今東西この問題については、多くの経営者や経営学者の方が、考えに考えてきました。そして理論的には成り得ても、現実の企業経営に当てはめると、なかなかうまく行かないという難問でもあります(ハーズバーグの動機付け・衛生理論、アダルファのEGRモデルなどは有名です)。
これまでの理論的な研究部分を踏まえ、さらに企業経営上の実践的な面を織り込むと、次の点が大切となってきます。
【従業員活性化の基本】
1.従業員の方に先行きの展望を与えること
会社自体に先行きの展望が開けなければいけません。
しかし、常に先行きが明るいばかりではありません。仮に、局面的に困難な状況であっても、全社的に情報を共有化して、社内的に皆が力を合わせる方向に持っていくことです。
2.一生懸命やれば必ず報われるような仕組みを作ってあげること
評価の基準をはっきりとさせると同時に、評価(者)を多面的にすることです。
社員それぞれの努力が企業成果として結びつき、それが社員それぞれの貢献度に応じてフィードバックされるサイクルを創らなければいけません。
ここで最も重要な点は、貢献度の評価をどのように公正なものにするかということです。
3.職場の中に透明感があり、精神的に気持ちよく過ごすことが出来るようにすること
フランクな人間関係を極力維持し、閉鎖的な職場を作らないことです。
ここでの意味は昔ながらの人間関係だとか、飲みニケーションだとか、定時後の付き合いといったことに、必ずしも直結するものではありません。
お互いの存在・人格であるとか、お互いの仕事ぶりを認め合うといった素直な気持ちで社員同士が接することの出来る職場を作ることです。
これは、経営者・管理者の大きな役割となります。
こうした基本を踏まえてさらに企業として、そして、それぞれの職場単位で考えなければいけない点は、次のとおりです。
【活性化のための具体的行動】
1.管理職サイドとして考えなければいけないこと
- 社員の共鳴が得られる企業(職場)の運営方針が徹底されること
具体的に言えば、会社(職場)の目標(方向と到達レベルそして時期)をはっきりと示します。
- 職場のこれからを、社員とともに切り開いて行こうとする意思を明示すること
- それぞれの社員について、職場内での位置づけや存在価値が認められていること
具体的には、目標達成のための個人の役割や貢献度を明確にします。それによって、職場内での個々人の果たす仕事の意義なり位置づけを、確認することができます。
つまり、企業(職場)と社員との融合的な関係が成立していることが、必要条件の第1点です。
2.その上に立ち、職場単位で管理者が考えなければならない大切な点は、次のとおりです
- 社員の方に「自分はこのままで本当に良いのか?」と言う「気付き」を与えることです。そして、その「気付き」を与えることは経営者であるとか上司の方の日々のコーチング(管理者としてのコミュニケーション)の成果を期待することになります。
- 基本は、会社(職場)の目標をベースに、社員に果たしてもらわなければいけない役割について、社員一人ひとりと話し合うことです。 これにより、社員は「その会社における自己目標」を納得の行く内容・レベルで自己設定することができます。
企業と社員との融合関係を踏まえて、その企業における社員の自己目標が生まれ、その目標と現実とのギャップが「気付き」となり、それが本当のやる気につながります。