ITを活用した在宅勤務は、労使双方にメリットのある制度ですが、時間管理についてはいくつかの留意点があります。
在宅勤務の場合、住居での勤務であるため、どうしても労働時間とプライベートの時間が混在するという問題が発生してきます。在宅で勤務させる場合、まず、労働時間について、しっかりと分けて勤務させるのか、勤務時間とプライベートを混在させたまま労働時間を「みなす」ことにするのかについて、検討する必要があります。
2.労働時間とプライベートを混在させたまま労働時間をみなす場合
- 在宅で労働時間をみなす場合、次の要件を満たす必要があります。
- 当該業務が、起居寝食など私生活を営む自宅で行われること。
- 当該情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
- 当該業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。 (労働基準法 平成16年3月5日 基発第0305001号より)
- 労働時間は、労使間で「労働時間とみなした時間」が労働時間となります。
- たとえば1日の労働時間が9時間とされた場合には、時間外労働についての労使協定の締結、届出や時間外労働についての割増賃金が必要となります。
- 労働時間をみなせるのは、労働時間の算定が困難である場合なので、日常的に具体的な指示ができる場合は、労働時間をみなすことはできません。
- 労働時間をみなした場合でも、夜10時~朝5時までの深夜勤務や休日勤務については、割増賃金の支払いが必要です。
- 時間管理をする義務は、会社側にありますので、日報などの提出により時間管理をする必要があります。
したがって、ご質問のように、パソコンを支給し、常時接続によりいつでも自由に利用できる状態となっている場合には、労働時間はみなすことはできないとされています。仕事専用の個室などを整備し、勤務時間を明らかにするか、パソコンのインターネット接続は、在宅勤務において想定できる勤務時間において接続するものとし、労働時間をみなすこととするのかという検討が必要です。
また、パソコンなどITを活用した時間や場所にとらわれない働き方(テレワーク)には、在宅勤務以外に、施設利用型勤務やモバイルワーク等があります。
表1 テレワークの主な形態と内容
| テレワークの主な形態 |
内容 |
| 在宅勤務 |
自宅を就業場所とするもの |
| 施設利用勤務 |
サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィス等を就業場所とするもの |
| モバイルワーク |
施設に依存せず、いつでも、どこでも仕事が可能な状態なもの |
| 組み合わせ型 |
実施頻度によって、常時テレワークと、テレワーク勤務が週1~2日や月数回、または1日の午前中だけなどに限られる随時テレワークがあり、実際は様々な形態で導入されている |
まず、導入目的を明確にし、テレワークポリシーの確立、労働条件の設定、適切なIT機器や通信環境の選択、情報セキュリティの確保などを検討することが求められます。以下にテレワークの主な形態と内容を示します。