調査

人手不足感はコロナ禍前の水準に:日商が調査

2022年 5月 10日

日本商工会議所と東京商工会議所がまとめた「人手不足の状況および従業員への研修・教育訓練に関する調査」の集計結果によると、人手が「不足している」と回答した企業は60.7%となり、前年同時期(2021年2月)の調査と比べて16.3ポイント増加した。この数値はコロナ感染拡大直前の2020年2~3月の60.5%を上回っており、人手不足の状況が戻ってきている。

業種別では、「運輸業」の79.4%、「建設業」の75.6%が「不足している」と回答しており、深刻な状況にある。これに対し「宿泊・飲食業」は「過剰である」との回答が9.0%と1割近くを占め、コロナ禍の影響の長期化がうかがえる。

人手が「不足している」と回答した企業に対応方法を聞いたところ、「正社員を増やす」と回答した企業が72.3%と最も多い。次いで「社員の能力開発による生産性向上」(35.9%)、「IT化、設備投資による業務効率化・自動化」(35.4%)、「業務プロセスの改善による効率化」(32.1%)が続いた。これら3つの選択肢のいずれかを回答した企業は60.7%となり、回答企業の過半数が生産性向上・業務効率化に取り組んでいる。

従業員へ実施している研修・教育訓練については、「日常業務の中での教育(OJT)」が75.6%と最も多く、次いで「外部主催の研修・セミナーの実施」(57.3%)、「業務に関連する資格の取得奨励」(51.0%)が続いた。実施している研修・教育訓練がOJTのみ、または特に実施していない企業は19.1%。今後の方向性について、研修・教育訓練を「強化・拡充する」と回答した企業は51.4%だった。

調査は全国47都道府県の中小企業6007社を対象に、2月7日~28日に各地の商工会議所職員による訪問、メールなどで実施。3222社から有効回答(回答率53.6%)を得た。

詳しくは日商のホームページへ。

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