市場調査データ

立食そば・うどん店

立食そば・うどん店は、速さと安さの合理性を売りにしたセルフ業態であり、とくに男性の支持を多く得ている。以下では、立食そば・うどん店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で33%、男性54%、女性17%となっており、圧倒的に男性の方が女性よりも利用率が高い(表1、図1)。最も利用率が高いのは50代男性(65%)であり、次いで、60代男性(56%)、40代男性(53%)、30代男性(51%)の利用率が高い。

また、全体的に「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が大きく、リピート率が低いことも窺える。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度も、全ての年代で圧倒的に男性の方が女性よりも高い(図2)。とくに30代以上男性の利用頻度が高く、30代男性利用経験者の28%、40代男性利用経験者の24%、50代男性利用経験者の22%が、月に2~3回以上利用している。また、30代男性利用経験者の16%は週に1回以上利用し、7%は週に2~3回以上利用しているヘビーユーザーであると言える。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で400~500円未満の範囲と言える(図3)。利用経験者全体の33%が1回に400~500円未満の範囲内で利用し、75%が1回に300~600円未満の範囲内で利用している。

1回あたり利用金額は20代女性、30代男性、50代・60代女性で比較的高い。20代女性利用経験者の22%、30代男性利用経験者の21%、50代女性利用経験者の21%、60代女性利用経験者の24%が、1回に600円以上を使っている。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全ての年代・性別で男性の方が女性よりも高い(表2、図4)。とくに30代以上男性の利用意向が高い。

立食そば・うどん店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)も、全ての年代・性別で男性の方が女性よりも高く、とくに30代男性では、利用意向は90%に達している。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、男性では、既に高い利用率を背景に、全ての年代でマイナスとなっている(図5)。一方、女性では全ての年代でプラスとなっており、とくに50代女性で比較的大きい。

立食そば・うどん店の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、60代以外の女性で大きい。

男性の高い利用率を維持しつつ、利用者のリピート率を向上させ、20代~50代女性(とくに50代女性)の関心をいかに喚起して、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※公益財団法人 食の安全・安心財団資料によると、そば・うどん店の市場規模は、2009年に1兆667億円だったものが2012年には1兆718億円と、ほぼ同水準で推移している。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況に大きな変化は無いと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2009年6月25日~7月9日

調査対象:

株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月