市場調査データ
中華料理店
中華料理店は、料理の種類、敷居の高さ、そして客層がとても幅広い業種であると言える。以下では、中華料理店についての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で78%、男性が79%、女性が78%となっており、男女ともに利用率は高い(表1、図1)。20代男性を除く全ての年代・性別で利用率は70%を超えており、とくに40代男性の利用率は87%に達する。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度が比較的高いのは30代以上の男性である(図2)。例えば30代男性では、利用経験者の54%が月に1回以上利用し、32%が月に2~3回以上利用し、10%が週に1回以上利用している。なお、週に1回以上利用しているユーザーは、30代男性利用経験者の10%、40代男性利用経験者の13%、50代男性利用経験者の8%、60代男性利用経験者の6%、となっている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額のボリュームゾーンは、全体で700~1000円未満の範囲であると考えられる(図3)。利用経験者全体の26%が1回に700~1000円未満の範囲内で利用し、54%が1回に700~1500円未満の範囲内で利用している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、60代では男性、60代未満では女性で高くなっている(表2、図4)。また、概ね高い年代の人ほど、積極的利用意向は高い。積極的利用意向が最も高いのは、50代女性(72%)であり、次いで40代女性(71%)、60代男性(65%)の利用意向が高い。
中華料理店の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は極めて高く、全ての年代・性別で90%を超えている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、既に高い利用率を背景に、全ての年代・性別でマイナスとなっている(図5)。
中華料理店の利用に否定的な意向を持たない層をも加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別に分布しており、20代男性と30代女性で比較的大きい。
現在の高い利用率を維持しつつ、中華料理店の利用に中立的な人たちの関心をいかに喚起し、具体的なニーズに結び付けていくかが、今後の成功の鍵と言えるだろう。
図5 潜在需要
※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が中華料理の外食にかける年間支出金額平均は、2009年で4,448円、2012年で4,043円だった。本レポートのアンケート調査は2009年に行われたものであるが、現在の利用状況も若干下がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2009年6月25日~7月9日
- 調査対象:
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調査対象:株式会社ベンチャー・リンク 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1192人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月