自宅をカウンセリングルームにする
自宅を事務所として構える場合、電話、パソコン、プリンターなどといったOA機器に加え、名刺などのツールさえあれば開業は可能である。また、自宅からオンラインカウンセリングを行うという方法もあり、その場合は通信環境を整える必要性が生じる。
予約時だけレンタルスペースを借りる
綺麗な部屋が用意でき、自宅事務所と比較して「誰かの自宅」という心理的な不安も払拭できるため、クライアントを安心させる事が可能。また、OA機器などの設備も充実している場合があり、場所によっては飲み物などのサービスも提供できる。
必要なスキル
心理カウンセラーに関連する資格は複数ある。国家資格としては「公認心理士」、民間資格としては「臨床心理士」、「産業カウンセラー」、「認定心理士」などがある。資格がなくても開業することは可能だが、業務を行うにあたってはカウンセリングスキルを身につける事が必要となる。質の高いカウンセリングを行うためにも、実践的なスキルが習得できる資格選びが重要になるといえよう。
また雇用カウンセラーと違い、独立カウンセラーには学校や一般企業などの後ろ盾がないため、個人の信頼性が何よりも重要となる。カウンセラー自身が資格を持っているということは、そのままクライアントに対する安心感につながるという利点もあるだろう。
開業資金と損益モデル
独立カウンセラーの料金形態は、おおよそ1回30分・1時間・90分などと区切って設定しているケースが多い。1回ごとの料金は、クライアントに対するカウンセリングの方法によって異なるが、直接会って相談に応じる対面カウンセリングの場合、カウンセリング1回(1時間)あたりの平均相場は8,000円前後といわれる。その他、電話相談なら1分150円前後~、メール相談なら1往復1,000円前後のようだ。ただし、これらはあくまで一例のため、自身のカウンセリング内容や競合の状況を踏まえたうえで料金を設定するべきだろう。
また、対面・電話・メールのうち一種類だけを行うのではなく、複数のサービスを平行して行う業態も考慮したいところだ。対面によるカウンセリングを苦手とするクライアントに対し、電話やメールでの相談をオプションとして用意しておくことは有用と思われる。
(1)開業資金
【自宅を事務所兼用・レンタルオフィスも兼用するケース】
(単位:千円)
(2)損益モデル
a.売上計画
カウンセリング1回8,000円、年間休日120日で計算した場合
b.損益イメージ
上記、売上計画に記載の売上高に対する1日3件のカウンセリングを行ったケースについて売上総利益および営業利益の割合(標準財務比率(※))を元に、損益のイメージ例を示す。
※標準財務比率は該当する業種の財務データがないため、推定値を掲載。
c.収益化の視点
基本的に原価率は0%であり、場所代を除けば運転資金などの支払いは発生しない業態である。ただし、創業期はクライアントの獲得や定着などに苦労する事が想定されるため、広告・宣伝やサービス内容、競合の状況などについては入念に考える必要がある。
たとえば、心理カウンセリングを受けたいと考えている見込み顧客は、何らかの精神的な不安を感じている場合が多い。そのため、どのようなカウンセリングが受けられるのか、カウンセリングに本当に効果はあるのか、といった懸念点を払拭するような宣伝・広告を展開することが重要になるだろう。そのほか、対面だけでなく、比較的気軽に受けられるオンラインカウンセリングにも対応するなど、サービスの多様化についても考慮したいところ。
また、クライアントとの信頼関係が重要な職業であることから、事業が安定するまでの収益源の確保は大切な要素になると考えられる。この解決策のひとつとしては、副業を行うことが挙げられるだろう。個人で開業する場合は勤務条件を自由に決められるため、空き時間をうまく使えば副業を行うことも可能なはず。あるいは、初めは心理カウンセラーを副業として行い、事業が軌道に乗ってから本格的に開業するという方法もある。
※開業資金、売上計画、損益イメージの数値は、出店状況等により異なります。
(本シリーズのレポートは作成時点における情報を元に作成した一般的な内容のものであるため、開業を検討すう際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)