業種別開業ガイド
パティシエ
- パティシエとは、フランス語でお菓子職人という意味。パティシエで独立する場合、ケーキやチョコレート、焼菓子などの菓子専門店を経営するのが一般的。しかし、菓子教室のインストラクターやフードコーディネーターとして独立する例も増えている。
- 菓子専門店には大量生産で低価格の商品を販売する大手チェーン店と、オリジナル商品を手作りで少量生産する個人店がある。個人店には、素材や味へのこだわりや、独創的な商品開発が求められている。
- 出店は、学生や若い女性、主婦が集まる駅前、商店街、大型商業施設などが望ましい。しかし、交通の便が悪い場所に開業しても、顧客の支持を集め、クチコミで認知度が高まれば問題はない。
1.起業にあたって必要な手続き
1)食品衛生法に基づく営業許可
開業にあたっては、所轄の保健所に営業許可を申請しなければならない。食品衛生法では、施設ごとに1人、食品衛生責任者を置くことが義務づけられている。食品衛生責任者となるには、調理師、栄養士、製菓衛生師などの資格が必要。有資格者がいない場合は、保健所が実施する食品衛生責任者のための講習会を受講すれば、資格を取得できる。必須の資格ではないが、菓子製造技能士、製菓衛生師があると知識や技術の証明になる。
2. 起業にあたっての留意点・準備
1)営業上の留意点
●季節感や歳事に合わせた品ぞろえが重要。ひなまつり、母の日、ハロウィンやバレンタイン、クリスマスなどのイベントには、それぞれのイメージに合わせたオリジナル商品を開発する。そして、固定客からの予約を多く獲得できるよう、事前に告知しておく。
●ケーキ店の場合、気温が高くなる夏場には売り上げが落ちてしまう。そのため、涼感を演出するフルーツデザートやゼリー、プリンなどの品ぞろえを充実させたほうが良い。
●お盆や年末年始、年度末は、帰省先や職場で菓子を配る機会が増えるため、箱詰めのギフト商品、焼き菓子などの数を増やしておく。
●菓子は贈り物としての需要が高いため、包装紙や箱、リボン、袋などの包装品にもこだわったほうが良い。オリジナリティがあり、女性好みの色彩やデザインであることが望ましい。
2)経営上の留意点
●安定的な利益を得るためには、通信販売を始めるのも良い。通信販売は注文を受けてから商品を製造することができるため、食材や在庫のロスが少ない。全国各地に顧客を獲得できるのも利点。そのためには、半生菓子や焼き菓子など日持ちのする商品のラインアップを増やしておく。
●菓子製造には専門的な技術やセンスが必要となるため、長期的に勤務できる人材を確保すること。
3. 必要資金例
(単位:千円)

創業後の売上推移

最終内容確認日2014年2月