調査

前月比3.6ポイント改善:2月末の小規模企業業況

2024年 4月 5日

全国商工会連合会がまとめた2月末時点の「小規模企業景気動向調査」によると、産業全体の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス7.7となり、1月末時点に比べて3.6ポイント改善した。インバウンド需要の活発化を背景に売上額DIがプラスになる業種が増え経済の正常化が進みつつある一方、コスト高騰に価格転嫁が追い付かず、改善の足を引っ張っている。

業種別にみると、製造業はマイナス8.0となり、2.4ポイント改善した。食料品関連では、暖冬の影響でシーズン向け商品を扱う店舗で売り上げが伸び悩んだ。繊維工業関連も季節商品の製造時期で業務量は多いものの、取引先との価格交渉がうまく進まず、十分な採算がとれていない状況となっている。機械金属関連は受注が減少傾向にある。

建設業はマイナス6.3で、5.7ポイントの改善となった。降雪が少ないため、除雪を請け負っている建設業者の収入が大きく減少した一方、例年よりも早く着工できることなどから、業況は上向き傾向にある。災害復旧工事などの需要が一気に動き出し、材料不足が発生している。

小売業はマイナス 13.7となり、3.6ポイント改善した。季節性商品の売れ行きが低迷したが、電気料金値上げの影響から省エネ家電販売の動きが堅調だった。商品の値上げが進み、必要なものを必要な数だけ買い上げる顧客傾向が出ている。

サービス業はマイナス2.8となり、2.9ポイントの改善。宿泊業はインバウンド需要を取り込み、売り上げ確保につながっている。クリーニング関連は、原材料・エネルギー価格の高止まりが続き、価格転嫁に苦戦している。

詳しくは、全国商工会連合会のホームページへ。

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