調査
前月比1.2ポイント改善:10月末の中小企業景況
2023年 11月 30日
全国中小企業団体中央会がまとめた10月末時点の「中小企業月次景況調査」によると、景況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス19.2となり、9月末時点と比べ1.2ポイント改善した。酷暑が一服し、人流が増加したことや価格転嫁が一部浸透してきたことで、製造業・非製造業ともに景況感は上向きとなった。
業種別にみると、製造業がマイナス26.6となり、1.0ポイント改善した。「化学・ゴム」が10.7ポイントの大幅改善となったほか、「紙・加工品」が8.2ポイント改善した。一方、「電気機器」は中国市場の冷え込みなどの影響を受け、7.2ポイント悪化した。
非製造業はマイナス13.6となり、1.4ポイントの改善。「その他非製造業」が12.9ポイントの大幅改善となったほか、「商店街」が人流の回復を背景に7.8ポイント改善した。
景況感に改善の動きが出ているものの、人手不足や人材確保の問題、人件費の上昇が引き続き多くの業種で収益力の足かせとなっている。中東情勢の緊迫化や中国の景気減速懸念など今後の景気減速を懸念する声も数多く寄せられている。
調査は、都道府県中央会に設置されている情報連絡員(協同組合、商工組合などの役職員約2600人に委嘱)が、所属する組合の組合員に聞いた全体的な景況(前年同月比)。
詳しくは、中小企業団体中央会のホームページへ。