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スタートアップ経営者と支援機関担当者が本音を語る:日本公庫、中小機構など

2023年 10月 2日

スタートアップへの支援をめぐって本音が次々と飛び出した「ぶっちゃけトーク!!」

スタートアップの経営者や支援機関の担当者が本音を語るトークイベント「スタートアップ支援に向けたぶっちゃけトーク!!」が9月29日、神奈川県川崎市のミューザ川崎セントラルタワー5階「Kawasaki-NEDO Innovation Center」で開催された。政府系支援機関である日本政策金融公庫(日本公庫)、中小機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、工業所有権情報・研修館(INPIT)の共催で、YouTubeでもライブ配信された。

スタートアップの経営者(写真上)と支援機関の担当者(同下)が登壇

イベントではまず、支援を受けたスタートアップ2社の代表が登壇。このうち合成ダイヤモンドの量産化を目指すVISION IV(ビジョンフォー、神奈川県横浜市)はNEDOの研究開発型スタートアップ支援事業「NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」タイプBに採択された。同社の小関智昭代表取締役は「自分の妄想から起業したもので、事業化のノウハウはまったくなかった。NEDOの手厚いサポートがなければ事業化できなかっただろう」と話した。またフォトンラボ(東京都中央区)は、中小機構や理化学研究所などが運営するインキュベーション施設「和光理研インキュベーションプラザ」(埼玉県和光市)に入居。理研発ベンチャーとしてレーザーによるインフラ点検の社会実装を目指している。同社の木暮繁社長は「支援機関にお願いしたらみんなやってくれると考えているベンチャーも多いが、支援機関はあくまでも応援団。実際にグランドで戦うのは自分たちだ」と話した。

続いて共催4機関の担当者が登壇。このなかでは▽「事業計画書は出資や融資など目的によって書き方が違う。(日本公庫の)担当者は(融資ができるように)努力しているので、書き方については協力してほしい」(日本公庫の佐藤俊太氏)▽「相談を受けて最初につないだ専門家が(相性などの面で)合わなかったという場合には遠慮せずに言ってきてほしい。1回ダメだったからもう行かない、ではなく、もう一度来てほしい」(中小機構の宮代幸惠氏)▽「補助金申請書のフォーマットには元々、書いてほしい内容を青い斜体字で記載しているのに、それを全部削除してから書こうとする人がいる。消さずにそのまま書いてほしい」(NEDOの馬場大輔氏)▽「契約したら知的財産の権利が共有になっていた、などという相談があるが、契約後ではなく、知財について少しでも気になった段階で来てほしい。相談は無料なので使い倒してほしい」(INPITの高田龍弥氏)—といった本音が聞かれた。

スタートアップをめぐっては、国が昨年11月に「スタートアップ育成5か年計画」を決定。(1)人材・ネットワークの構築(2)資金供給の強化と出口戦略の多様化(3)オープンイノベーションの推進—の三本柱を一体として推進・実行していくこととしており、今回のイベントを共催した4機関が実行の中心的役割を担う。