調査

コロナからの挽回消費が一服、2.7ポイント悪化:日商の6月業況DI

2023年 7月 3日

日本商工会議所がまとめた6月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果」によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)は、マイナス8.9で、前月比2.7ポイント悪化した。原材料・エネルギー価格の高騰に加え、人材確保に向けた賃上げなどコストが増加する中、コロナ禍からの挽回消費に一服感が見られ、4カ月ぶりに悪化に転じた。

業種別にみると、サービス業はプラス4.7と7.2ポイント悪化した。飲食・宿泊業などで需要回復は継続しているものの、深刻な人手不足に伴う受注機会の損失が発生したことが反映された。小売業はマイナス16.7で2.9ポイント悪化した。物価高による日用品などの買い控えが続いており、スーパーなどを中心に業況が悪化した。卸売業も梱包資材価格の高止まりに加え、小売業、サービス業からの引き合いが減少し、マイナス13.2と2.2ポイント悪化した。

建設業はマイナス17.8で0.8ポイント悪化し、製造業はマイナス8.8で0.4ポイント改善した。設備投資需要が堅調に推移する一方、度重なるコスト増に価格転嫁が追いついておらず、横ばいで推移した。

7~9月の先行き見通しDIは、マイナス10.2と6月に比べて1.3ポイントの悪化を見込んでいる。インバウンドや国内観光需要の回復や企業の設備投資の増加など経済活動のさらなる改善が期待される一方で、原材料・エネルギー価格の高騰によるコスト負担増や人手不足への対応等は長期化し、経営の足かせとなっている。価格転嫁実施後に「受注・販売数量の減少が生じた」との声もあり、先行きに慎重な見方が広がっている。

調査は、全国329商工会議所の会員 2511社を対象に6月15~21日に実施され、有効回答数は1996社(回答率79.5%)だった。

詳しくは、日本商工会議所のホームページへ。

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