調査

前月比4.9ポイント改善 5類移行で回復:日商の5月業況DI

2023年 6月 5日

日本商工会議所が5月31日に発表した5月の「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」によると、全産業合計の業況DI(好転と回答した割合から悪化と答えた割合を差し引いた値)はマイナス6.2で、前月に比べ4.9ポイント改善した。新型コロナウイルスの5類移行による経済活動の回復を受けて3カ月連続で改善した。

業種別にみると、行動制限のない大型連休に加え、コロナ5類移行による消費マインドの改善、インバウンドをはじめとする国内観光需要の改善などを受け、飲食・宿泊関連を中心にサービス業がプラス11.9と6.3ポイント改善した。小売業もマイナス13.8と2.1ポイント改善した。免税品や高付加価値商品の販売が好調な百貨店や大型連休で客足が回復した土産品販売店などが好調だった。

卸売業はマイナス11.0と4.0ポイントの改善。製造・小売・サービス業からの引き合いが増えている。建設業はマイナス17.0で6.1ポイント改善した。政府の補正予算による公共工事の受注数増加が下支えした。

製造業は、電子部品関連の需要減や原材料・エネルギー価格の高騰による収益圧迫は続いているものの、底堅く推移する国内設備投資需要が下支えとなり、マイナス9.2と4.7ポイント改善した。

6~8月の先行き見通しDIはマイナス9.5と5月に比べ3.3ポイントの悪化を見込んでいる。経済活動の一層の改善が期待される一方で、需要増に人材確保が追い付かず、受注機会の損失が懸念されている。また、原材料・エネルギー価格高騰によるコスト負担に見合う価格転嫁が十分に追いついておらず、先行きへの不安が根強く残っている。

調査は、全国329商工会議所の会員 2508社を対象に5月16日~22日実施され、有効回答数は2008社(回答率80.1%)だった。

詳しくは、日商のホームページへ。

中小企業に関連するその他の調査・レポートはこちら