馳知事は、プロレスラーから衆参の国会議員を経て昨年3月の知事選で初当選。同8月には、4者による伴走支援連携協定を締結し、県内の中小企業・小規模事業者の振興に向けて4者が連携してセミナー・イベントの開催や支援人材の育成、中小企業への専門家派遣などの取り組みを進めることとなった。
今年2月には就任後初めてとなる来年度当初予算を発表。今年秋ごろに策定される県の新たな総合計画「石川県成長戦略(仮称)」を先取りした形で、手厚い産業振興策を講じることがひとつの特徴だ。そのなかで、新たに創設される「成長戦略ファンド」(700億円規模)は従来の2つのファンド(次世代産業創造ファンド、中小企業チャレンジ支援ファンド)を統合、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション=脱炭素社会に向けた取り組み)、スタートアップ創出など時代のニーズに対応した内容にリニューアルされる。
また、DXやGXに加え、人材不足の恒常化や原油・原材料価格の高騰など中小企業・小規模事業者の経営課題が高度化・複雑化するなか、支援機関が事業者に寄り添いながら継続的にサポートしていく伴走支援の強化も産業振興策に盛り込まれている。
馳知事は就任直後から伴走支援の重要性に着目しており、「昨年の6月補正予算で支援機関の体制強化を図るなど、他の自治体に先行して伴走支援の強化に取り組んだ」という。さらに7月には、経済産業省官僚で中小企業庁小規模企業振興課長や特許庁審査業務部長などを歴任した西垣淳子氏を副知事に起用し、人事面でも中小企業支援強化の体制を整えた。昨年8月の伴走支援連携協定の締結は、「こうした県の取り組みを高く評価してもらったもので、とても大きな意義がある」(馳知事)としている。
来年度当初予算では、伴走支援の体制強化のため、商工会・商工会議所の経営指導員の増員や資質向上をサポートする。石川県では元々、商工会・商工会議所の職員に占める中小企業診断士資格取得者の割合が高く、商工会は35.4%(全国平均5.6%)と全国1位。商工会議所も12.8%(同4.9%)と全国平均を大きく上回っている(昨年3月末時点)。馳知事は「経営指導員の質の高さは県の強み。人の手当てを図り、指導員を質量ともにいっそう充実させ、県の強みをさらに高めていきたい」と述べた。