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「FASTAR」参加の9者が事業計画・成果を発表:中小機構
2023年 2月 28日
ベンチャー企業の成長加速化を支援するプログラム「FASTAR」のピッチイベント「FASTAR 6th Demo Day」(中小機構主催)が2月24日にHANEDA×Pio(ハネダピオ、東京都大田区)の会場とオンラインのハイブリッド形式で開催され、同プログラムに参加した9者(うち2者はオンライン参加)が成長戦略・事業計画を発表した。審査の結果、fcuro(フクロウ、大阪市)がインキュベイトファンド賞とサムライインキュベート賞を受賞したほか、ARDe(アルデ、東京都台東区)にKDDI賞が、FerroptoCure(フェロトキュア、東京都千代田区)にDCIパートナーズ賞がそれぞれ贈られた。また終了後には、資金調達や事業提携のマッチング機会として登壇者と観覧者との交流会が会場で行われた。
「FASTAR」は、IPOやM&Aなどを視野に、ユニコーン企業や地域有力ベンチャーを目指すスタートアップ・個人に対し、中小機構が資金調達や業務提携に向けて成長の加速化を支援する事業。2019年度から始まり、年に2回、支援先を募集。採択された支援先に対しては、中小機構の専門家が専任メンターとして事業戦略や経営課題解決のためメンタリングを約1年間継続的に行い、事業計画のブラッシュアップを伴走支援している。
この日登壇した支援先のうちダブル受賞のfcuroは、救急医療の現場で活用する画像診断AIの開発を手掛ける。オンラインで参加した同社代表取締役CEOの岡田直己氏は現役の救命医で、「(画像診断AIにより)通常5分を要するCT画像診断が数十秒で済む。患者の死亡率削減につながる」と話した。
ARDeは、拡張現実(AR)を活用した作業管理システムにより製造業での作業ミスの防止、作業記録の省力化などを実現。同社代表取締役の山口剛二郎氏は「担い手不足に悩む製造業の現場で、先人の技と知恵をARで後世に伝えていきたい」と述べた。またFerroptoCureは、「フェロトーシス」(酸化ストレスにより誘導される細胞死)を標的とした抗がん剤を開発する。外科医から研究の道に進み抗がん剤の開発に取り組む同社代表取締役の大槻雄士氏は「(フェロトーシス抗がん剤は)安全性が高く、適用範囲の広い治療薬になりうる」と話した。