調査

価格転嫁状況が好転:中企庁が調査

2022年 12月 27日

中小企業庁がまとめた「価格交渉促進月間(2022年9月)フォローアップ調査」結果によると、直近6カ月間のコスト上昇分のうち何割を価格転嫁できたを聞いたところ、「9割、8割、7割」とする回答が18.2%で最も多く、次いで「10割」と「3割、2割、1割」がともに17.4%を示した。「0割」と「マイナス」を足し合わせた「全く価格転嫁できていない」は20.2%となり、前回の促進月間(22年3月)の22.6%に比べて若干好転した。

直近6カ月間の価格交渉の状況については、「受注側企業から協議を申し入れ、話し合いに応じてもらえた」と回答した割合は58.4%。これに対し「全く交渉できていない」との回答は13.9%だった。コスト要素別の価格転嫁率(受注側中小企業のコスト上昇分に対して、発注側企業がどれだけ価格転嫁に応じたかの割合)は、原材料費が48.1%、労務費は32.9%、エネルギーコストは29.9%と、原材料費は価格転嫁が比較的進んでいる。

業種別にみると、価格交渉に相対的に応じている業種は、石油製品・石炭製品製造、鉱業・採石業・砂利採取業、卸売など。逆に応じていない業種は、トラック運送、放送コンテンツ、廃棄物処理などとなった。また価格転嫁に相対的に応じている業種は、石油製品・石炭製品製造、機械製造、製薬など。逆に応じていない業種は、トラック運送、通信、放送コンテンツなどとなった。

中企庁はエネルギー価格や原材料費などが上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境を作るため、9月と3月を「価格交渉促進月間」と設定し、価格交渉・価格転嫁を呼びかける広報を実施。この成果を確認するため、中小企業15万社を対象に9月26日~11月9日に調査し、1万5195社から有効回答を得た。また1777社を対象に、10月17日~21日に下請Gメンによるヒアリングを行った。

詳しくは経済産業省のホームページへ。

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