新生活様式に対応する店づくり

オフィス業務で早急にすべきこと

2020.5.15

リスク評価とリスクに応じた対応

オフィス業務においては、新型コロナウイルス感染症の主な感染経路である接触感染と飛沫感染のそれぞれについて、従業員や顧客等の動線や接触等を考慮したリスク評価を行い、そのリスクに応じた対策を検討します。

接触感染のリスク

接触感染のリスク評価としては、他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場所と頻度を特定します。複数の人の手が触れる場所(テーブル、椅子の背もたれ、ドアノブ、電気のスイッチ、電話、キーボード、タブレット、タッチパネル、蛇口、手すり、エレベーターのボタンなど)を始業前、始業後に清掃、適宜消毒することが必要です。

またゴミの廃棄については、「鼻水、唾液などが付いたごみは、ビニール袋に入れて密閉して縛る」「ゴミを回収する人は、マスクや手袋を着用する」「マスクや手袋を脱いだ後は、必ず石鹸と流水で手を洗う」などの対策を講じましょう。

感染リスクが比較的高いと考えられるトイレも対策が求められます。「トイレの蓋を閉めて汚物を流すよう表示する」「ハンドドライヤーは止め、ペーパータオルを設置する(共通のタオルは禁止)」などの措置を実施しましょう。

飛沫感染のリスク

飛沫感染のリスク評価としては、換気の状況を考慮しつつ、人との接触を避け、人と人との距離がどの程度維持できるか(できるだけ2mを目安に)や、施設内で大声などを出す場がどこにあるかなどを評価します。

例えば、「オフィスはレイアウトの見直し広々と使用する」「人と人が対面する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽する」「マスクの着用(従業員及び入場者に対する周知)を徹底する」「休憩スペースは、常時換気するる」「一度に休憩する人数を減らし、対面で食事や会話をしないようにする」などの対策が必要です。

症状のある方の入室制限

発熱や軽度であっても咳・咽頭痛などの症状がある人は入室しないように呼びかけることは、オフィス内などにおける感染対策としては優先すべき対策となります。また、状況によっては、発熱者を体温計などで特定し入室を制限することも考えられます。なお、業種によっては、万が一感染が発生した場合に備え、個人情報の取扱に十分注意しながら、入室者等の名簿を適正に管理することも考えられます。

働き方のスタイルの見直し

冷静に対応し情報を集めたなら、方針を立て現場に任せましょう。細かな口出しをすると現場が混乱しますし、自主性や創造性が育ちません。任せることで経営者が思いつかなかったことが生まれる可能性もあります。

新型コロナウイルス感染症の猛威により、私たちの日常生活は多大な影響を受け、否応なしに働き方改革の必要性に迫られています。しかし働き方のスタイルの見直しを前向きにとらえ、人手不足対応、生産性向上と業務効率化、魅力ある職場づくりと人材育成の観点からも「テレワークやローテーション勤務」「時差通勤での出社」「会議や名刺交換はオンライン化」などの具体的な取組みを加速させていきましょう。

文責

中小企業診断士
小櫃 義徳

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