市場調査データ
街コン
街コンとは、地域振興を目的としたコンパ・イベントであると定義できる。1回の街コンの参加人数は数百人程度が一般的であるが、千人を超す大規模な催しが実施されるところもある。運営形態に関しては、参加者同士の複数人数のグループが、制限時間内に決められた地域の飲食店などを一定の価格内で利用して回る、というケースが多く、地元商店街の活性化などの地域振興はもとより出会いの場としても注目を集めている。以下では、街コンについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で3%、男性3%、女性2%であり、男女ともに利用率は未だ高いとはいえない(表1、図1)。
年代別・性別に見ても、30代・40代男性の利用率が4%である以外は、2~3%の利用率となっている。また、全体で、「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が利用率に比べて大きいことから、リピート率の低さも窺える。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度に関しては、全体で、年に1回以下の利用者が過半数(54%)を占めている(図2)。
年代別・性別にみると、バラツキがあるが、30代・40代男性や20代女性の利用頻度が比較的高いといえる。利用経験者のうち、月に1回以上利用する人の割合は、30代男性で50%、40代男性で38%、30代女性で34%となっている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額は、無料から30,000円以上までと多岐にわたっている(図3)。
全体では、「1,000~1,500円」の価格帯がグラフの50%の水準に位置しているので、おおむね「1,000~1,500円」が一般的な相場(中央値)であろうと推定できる。
年代別・性別には、若い年代、そして男性の利用金額が比較的高いといえる。利用経験者のうち、1回に3,000円以上を使うユーザーの割合は、20代男性で50%、20代女性で40%、ほか、50代男性で38%などとなっている。また、1回に30,000円以上を使うユーザーも、20代・30代利用経験者の中に10~20%程度存在している。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で5%、男性6%、女性4%であり、男性の方が利用意向は高い(表2、図4)。
街コンの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で23%であり、とくに、20代~40代男性や20代女性で比率は高いといえる。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、50代・60代女性を除く全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。
また、街コンの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっている。消極的潜在需要は、20代~40代男性や20代女性に比較的多く存在していると考えられる。
20代~40代男性や20代女性を中心とした層を対象に、その意義などをアピールし関心を喚起していけば、さらなるニーズの掘り起こしは可能だと考えられる。また、参加回数の多い人には割引を行うなど、リピート率の向上に向けた努力も有効だと考えられる。
いまだ始まって歴史の浅い街コンであるが、地域振興のため、そして、出会いの場を提供する手段として、今後の発展が期待される。
図5 潜在需要
※総務省「国勢調査」によると、男性では35歳以上、女性では30歳以上の未婚率が、近年、大きく上がってきている。本レポートのアンケート調査は2012年に行われたものであるが、結婚に対する意識の高まりから、現在の利用率等は上がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2012年6月2日~6月29日
- 調査対象:
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国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,084人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月