市場調査データ

靴修理サービス

靴修理サービスは、フランチャイズ・チェーン店舗の普及の影響もあり、現在では、シューリペア・サービスとして広く認知されるに至っている。また、性別を問わず幅広い年代において潜在需要が存在していると考えられる。以下では、靴修理サービスについての消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査を元に探っていく。

1. 現在の利用状況

現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で22%、男性13%、女性33%であり、女性の利用率が高い(表1、図1)。

年代・性別では、利用率が最も高いのは、50代女性(42%)であり、次いで、40代女性(34%)、30代女性(31%)の順となっている。男性では50代の利用率(20%)が他の年代よりも高い。

表1 現在の利用状況

表1 現在の利用状況

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図1 現在の利用状況

図1 現在の利用状況

利用頻度に関しては、「3年に1回未満(34%)」が最も多く、次いで「年に1回(18%)」「半年に1回(14%)」「1~2年に1回(14%)」という意見が多い(図2)。

年代・性別にみると、利用経験者のうち「半年に1回」以上利用する人の割合は、20代男性(46%)で最も多く、次いで20代女性(40%)、30代男性(32%)、30代女性(28%)の順に多い。若い年代ほど、高い頻度で利用しているといえる。

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

1回あたり利用金額は、利用経験者全体で、「1,000~1,200円未満(23%)」が最も多い(図3)。

また、1,200円未満の利用者(51%)と1,200円以上の利用者(49%)とで約半分に分かれる。この境である1,200円あたりの金額が1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)だといえる。

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)

2. 今後の利用意向

「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で29%、男性18%、女性42%であり、女性の利用意向が高い(表2、図4)。

靴修理サービスの利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で66%に達し、男性55%、女性79%であり、女性の利用意向が極めて高いといえる。

表2 今後の利用意向

表2 今後の利用意向

(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)

図4 今後の利用意向

図4 今後の利用意向

積極的潜在需要(積極的利用意向-利用率)は、50代男性以外の全ての年代・性別に広く分布していると考えられる(図5)。

靴修理サービスの利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)は、比較的大きく、60代男性を除く全ての年代・性別で40%以上となっている。

年代・性別を問わず、幅広い層の関心をいかに喚起し、実際の利用に結びつけていくかが、今後の成功の鍵といえるだろう。また、図1で、「利用経験あるが、現在利用していない」人の割合が利用率と比べると高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえるので、サービス・技術の向上や顧客満足度向上に向けた施策の実施など、既存顧客のリピート率向上に努めることも重要だといえる。

図5 潜在需要

図5 潜在需要

※総務省統計局「家計調査(総世帯調査)」によると、家計1世帯が被服・履物修理にかける年間支出金額平均は、近年、700円前後で安定的に推移している。本レポートのアンケート調査は2010年に行われたものであるが、現在の利用率等も大きな変化は無いものと考えられる。

(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)

調査概要

調査期間:

2010年8月3日~8月23日、11月19日~24日

調査対象:

WizBiz株式会社 消費者モニター組織「コンシューマー・アイズ」のモニター会員、全国20代~60代男女(有効回答数:1249人)

調査方法:

インターネットによるアンケート調査

最終内容確認日2013年9月