市場調査データ
整骨院(2021年版)
2021年10月15日
現在の整骨院は、40代以降の世代における利用が比較的多くなっているのが特徴的であるが、利用頻度はそれほど高くはない。ただし、消極的な潜在需要も含めると、20代及び30代などの若い世代でも相応の需要がみられる。以下では、整骨院について、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を基に探っていく。
1. 現在の利用状況
現在の利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で10%、男性10%、女性9%であり、男性の利用率の方が1ポイント高い(表1、図1)。
年代別・性別でみて利用率が最も高いのは、40代男性(13%)であるが、年代別・性別で大きな差はない。このように、年代別・性別で利用率に大きな差がなく、広い年代及び性別において、一定の割合で利用されているのが特徴的な業態であると言える。
表1 現在の利用状況
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
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利用頻度に関しては、利用者層全体で、「年に1回以下(62%)」が最も多いが、20代男性や20代女性、40~60代女性では、「半年に1回」以上のペースで利用している人が利用者の4割を超えている(図2)。「月に1回」以上のペースでみても、これらの年代別・性別の利用者は3割を超えている。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
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1回あたりの利用金額に関しては、利用者全体でみると、「1,000円~3,000円未満」での利用が31%と最も多く、次いで、「500円~1,000円未満(24%)」、「3,000円~5,000円未満(20%)」などでの利用が多い(図3)。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
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2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で24%、男性22%、女性27%であり、女性の利用意向の方が高い(表2、図4)。
一方、整骨院の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、全体で64%、男性62%、女性65%であり、こちらも女性の方が高い。
年代別・性別にみると、積極的利用意向は、40代男性で30%、20代女性で36%と高くなっており、若い世代の女性で利用意向が旺盛になっている。消極的利用意向では、30代男性が70%、40代女性で69%と高くなっている。
表2 今後の利用意向
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(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向

積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、とくに20代女性(27%)に多く存在している(図5)。また、30代女性(26%)にも比較的多い潜在需要が存在している。
整骨院の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)も、20代女性(65%)に多く、30代女性(62%)と多くの潜在需要が存在している。男性では30代男性が61%となっている。
潜在需要は概ね、男性よりも女性のマーケットに潤沢に存在していると考えられる。とくに20代~30代女性の利用意向は高いため、これらの層をメインターゲットとした新業態や新サービスを開発し、潜在需要を開拓していくことは、今後の整骨院の事業運営においては有効であると考えられる。
図5 潜在需要
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(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元にした一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
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2021年7月14日~7月16日
- 調査対象:
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国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)
- 調査方法:
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インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日 2021年7月