市場調査データ
外国語教室(英会話除く)
外国語教室(英会話教室除く)は、現時点における利用率は低いが、幅広い年代層に大きな潜在需要が眠っている。以下では、外国語教室(英会話教室除く)について、消費者の利用状況や利用意向を、アンケート調査結果を元に探っていく。
1. 現在の利用状況
利用状況を見ると、「よく利用している」と「たまに利用している」を合わせた「利用率」は、全体で3%、男性3%、女性3%であり、現時点での利用率は低いといえる(表1、図1)。
年代・性別に見ると、利用率が比較的高いのは20代女性(10%)であり、次いで、20代男性(7%)、30代女性(6%)などの順となっている。
また、全体的に、利用率に比べ「利用経験あるが、現在利用していない」の割合が高く、リピーターが定着しにくい様子もうかがえる。
表1 現在の利用状況
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図1 現在の利用状況
利用頻度は、バラツキがあるが、全体で「年に1回以下」と「週に1回」がほとんどとなっている(図2)。
利用経験者全体のうち60%が「年に1回以下」で利用し、26%が「週に1回」で利用している。この場合の「年に1回以下」の利用には、1回限りの講義またはセミナーへの参加などが例として考えられる。
また、概ね男性よりも女性の方が利用頻度は高いといえる。
図2 利用頻度(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
1回あたり利用金額に関しては、全体で「2,000~3,000円未満」がボリュームゾーンだと考えられる(図3)。利用経験者全体の28%が「2,000~3,000円未満」の範囲内で利用し、23%が「1,000~2,000円未満」の範囲内で利用している。
また、「2,500~3,000円未満」の区分がグラフの50%の水準にさしかかっていることから、この金額(2,500~3,000円未満)が、1回あたり利用金額の一般的な相場(中央値)であると推察できる。
図3 1回あたりの利用金額(「利用したことがない」「不明」回答者を除く)
2. 今後の利用意向
今後「ぜひ利用したい」と「まあ利用したい(どちらかといえば利用したい)」を合わせた比率(積極的利用意向)は、全体で10%、男性9%、女性11%であり、女性の利用意向の方がやや高い(表2、図4)。積極的利用意向の分布は、男性は20代、女性は30代を中心に広がっていると考えられる。
外国語教室(英会話教室除く)の利用に否定的な意向を持たない人の比率(消極的利用意向を持つ人の比率)は、20~40代の全ての年代で40%以上となっている。
表2 今後の利用意向
(注:小数点未満を四捨五入しているため、表中の数値の合計は必ずしも合計該当欄の値に一致しない。)
図4 今後の利用意向
積極的利用意向から実際の利用率を除いた潜在需要(積極的潜在需要)は、全ての年代・性別でプラスとなっている(図5)。
外国語教室(英会話教室除く)の利用に否定的な意向を持たない層を加味した潜在需要(消極的潜在需要)もまた、全ての年代・性別でプラスとなっており、とくに30代男性など若い年代を中心に多く存在していると考えられる。
外国語教室(英会話教室除く)は、現時点における利用率は低いが、幅広い年代層に大きな潜在需要が眠っていると考えられる。積極的な販売促進施策で潜在需要を掘り起こすと同時に、利用者に対しては、様々な用途やレベルに合わせたコースを提示するなど、リピート率向上の為の施策も併せて重要だといえる。
図5 潜在需要
※経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によれば、外国語会話教室の売上高規模は、2010年で691億円、2012年で773億円と推移してきている。国の語学教育への注力などを背景に、現在、利用率等は上がってきているとも考えられる。
(本シリーズのレポートは作成時時点における情報を元に作成した一般的な内容のものです。個別の施策等を検討される際には別途、専門家にも相談されることをお勧めします。)
調査概要
- 調査期間:
-
2011年7月9日~7月18日
- 調査対象:
-
国内在住の20~60代男女(有効回答数:1,033人)
- 調査方法:
-
インターネットによるアンケート調査
最終内容確認日2013年9月